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【お散歩日和】出番ですよ~

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宮城県七ヶ浜町

■作品に時代も取り入れて
林 惠美子(はやし えみこ)さん(遠)
籐工芸作家

ずっと自信の持てるものが欲しかったんです。籐との出会いは夫の赴任先の愛知県豊田市の教室が始まりでした。籐(とう:ラタン)は、インドネシアなど熱帯地方の植物で、竹より柔軟性があるのが魅力です。籐に魅せられ転勤の先々で勉強しました。
学ぶうちに、自分らしさを表現したいという思いが募り、さらなる勉強のために東京の先生のもとに通った時期もありました。
作風が大きく変わったのが東日本大震災の経験からでした。もともと、かごなど、伝統的な形に取り組んできましたが、震災以降、亡くなられた方々に寄り添うようなイメージのものを作りたいと思い、どのような表現がふさわしいのだろうかと模索する日々が続きました。
ある時、私の花編みという技法を使った作品を見た方が「私には、この花の形が星に見える」とおっしゃったんです。その方の何気ない一言で私の見方が一変しました。思い切って流線形にして、自分の思いのたけを星の模様で表し、壮大な宇宙を意識するようになりました。
昔から「人は亡くなると星になる」という話があります。魂を包み込むようなイメージを表現したいと願い、発表したのが2012年からの作品でした。
震災以降、多くの賞をいただき、認めていただいたことが自信につながりました。これまでで特に思い出深いのが2019年の河北工芸展のときです。出来栄えに自信がなく、出品するかどうかを迷っていたのですが、普段なら「好きなようにすればいいさ」と言う夫が、いつになく「この作品は絶対出すべきだよ」と何度も推してくれたんです。おかげさまで秋田県知事賞をいただきました。夫はその翌年他界し、今思うと、夫の精一杯の応援だったんですね。家族に支えられていることに感謝しています。
昨年からはコロナ禍を経て、飛び立ちたいという気持ちを翼に託した作品に取り組みはじめました。作品にその時々の環境や時代も取り入れていきたいと思っています。
私の作品はまだまだ未完成です。これからも突き詰めて、欲張りですがもっと高みを目指したいと思います。どこまでできるかわかりませんが、元気なうちは続けていきたいですね。

◇林さんは、これまで日本現代工芸美術展現代工芸賞(左下の作品)や同現代工芸新人賞等を受賞。今年6月に開催された東北現代工芸美術展では、翼を題材にした作品(写真右上)が現代工芸東北会会長賞を受賞しました。

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答え・住所・氏名を明記の上、9/20(金)まで、ハガキまたはメール(kouhou@shichigahama.com)でご応募下さい。クイズの回答者は町内の方に限ります。8月号の答えは、(ウ)

Q. 七ヶ浜町に防波堤灯台は何基あるでしょうか?
(ア)2基 (イ)4基 (ウ)6基

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