■野球から学んだ人生 ~七ヶ浜の同じ野球をしていた先輩として~
もう53歳、まだ53歳。53年間生きてきて、この機会に振り返って思うことは、人生は決まっているんだなということが少しあります。
まさか自分が1月からプロ野球の4軍の監督になることを目指してやってきたわけではなく、高校野球の監督、先生を必死にやってきたことが評価されて、プロ野球に呼ばれたという形なので、今やるべきことを一生懸命やること。子どもでも大人でもです。
自分のためでもいいんですが、人のためにしていると間違いないかなと思います。人が幸せになるようなことに手を差し伸べていくと、すごくいいことが起こるということが最近分かってきました。
自分自身にいいことがなくても、私の子どもたちにいいことが起こったりします。
あともう一点、野球をして、人に接してきて、人に助けられることが多いということも学びました。
だから人に意地悪をしない。当たり前のことですが、ちゃんと人の目を見て挨拶をする。携帯を見ながら話をするのではなく、きちんとコミュニケーションをとる。
私は、そういう人づきあいの中で、選手の時はトレーナーに肘や肩を治してもらったとか、甲子園での準優勝、プロ野球選手になれたとか、プロ野球選手でもヒットが打てたとか、53年間の中で、多くの人と出会い、助けようとしたり、助けられたり、いっぱいありました。
今、野球ができる環境に感謝するということもそうです。お母さんが試合の日の朝に早く起きてお弁当作るのは大変だと思うよ。
お母さんにとっては、お弁当をしっかり食べて、活躍してくれることがうれしいと思うけれど、そのお弁当を残さず食べて、返すときにおいしかったよと、ありがとうの気持ちを伝えるだけでも君たちの人生が変わると思います。
それを私自身にも言い聞かせています。同じ家族かもしれないけれど、そういう一言が大切なんです。そうしていくと好循環になっていきます。
あとね、いいことばっかり起こらない。いいことばかり起きる人生って楽しいと思う。でもいいことばっかり起きるわけがない。辛い、苦しいこともいっぱい起きる。その時に逃げずにしっかりと次のことを考えて、立ち向かっていくことで自分が強くなる。
そして、そこを乗り越えていくと、また新しい未来が開けてきていい人生になってくる。君たちは、若ければ若いほど、プロ野球選手になる可能性がある。53歳の私は年を取ってしまって可能性がない。
未来は君たちの方がものすごく開けているから、あとは大人や保護者の方から話を素直に聞いて過ごしていくと楽しい人生になっていく。そういうふうな人生を歩んでほしいな。
七ヶ浜の同じ野球をしていた先輩として、そう思います。君たちに幸せになってほしいなと強く思っています。
■大越さんに質問!
菊田球稀(きくたたまき)さん
(松ヶ浜小6年、七ヶ浜中央野球クラブスポーツ少年団)
『緊張した時に意識していることはありますか?』
A:私は、子どもの時から緊張しいで、女の子に告白もできないくらいビビりでした。
一番緊張した時は、あこがれの甲子園のマウンドに立った時で、足の震えが止まらなかった。自分だけなのかと思ったら、あの松井秀喜さんが甲子園で初めてバッターボックスに立った時に足が震えて、120キロのボールが140キロに見えたと話していました。大スターでも緊張するから当たり前だと思った方がいい。自分は緊張するタイプと思いこまない方がいいと思います。
大切なのは、そこから逃げないことです。夜寝られないほど不安になったりするけれど、その時は、いっぱい練習して緊張を解消する。みんな緊張していると思えば、だんだんなくなっていきます。
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