■近視について 油井眼科医院院長 油井秀夫(ゆいひでお)
近視とは、遠くを見たときにはっきり見えない状態のことをいいます。医学的にいうと、目に入ってきた光のピントが網膜より手前で合っている状態です。
近視は遺伝や環境の関与があるといわれますが、多くは目の長さ(眼軸長(がんじくちょう))が伸びることによって生じます。そのため、成長期の小学生や中学生の時に近視が進行しやすく、この時期の急激な進行を防ぐことが重要です。今の子どもたちは親世代に比べ明らかに近視が増加していますが、それは近業(近いところを見る作業)の増加や外遊びの減少が原因と考えられています。近視の予防には外で日光に当たり遊ぶことが大事です。
また、現実的に近くを見る作業をしないことはできませんから、近業をする際は30cm以上離して見る、30分に一度は休憩をはさむ、といった注意が大事になります。当たり前のことですが、このようなちょっとした気遣いでも近視の進行予防には有効です。近年はスマホやゲーム、タブレットといった機器の普及により、長時間にわたる近業の結果として近視が進んでしまうリスクが大きい時代です。眼鏡をかけると近視が進むと心配される方がいますが、そんなことはありません。
近視の予防と早期の治療が大事ですので、もしお子さんが眼を細めて見づらそうにしていたり、学校の検査で視力が悪かったりしたら、きちんと眼科を受診して見えにくい原因を調べてみてください。
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