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丸森の自然(478)

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宮城県丸森町

阿武隈天文同好会 大槻功

■夜空に光るものNature
温かい日が増え、星を眺めるにはやさしい季節になってきました。一方で、春の夜空には明るく目立つ星座がなく、春霞もかかるため見栄えがしない星空なのも特徴です。
しかし、そんな時季でも夕方の空には金星がとても明るく光っているのが目につきます。6月初め頃は金星が太陽から一番離れる時期のため、午後10時過ぎまで西の空にギラギラと明るく光っています。ときにはUFOに間違われることもあり、私にも電話で「あれは何ですか?」と問い合わせが届くことがあります。これから7月上旬まで、まだまだ明るくなるため、ますます目立つのですが、それは金星ですので安心してください。
一方で、町内から西の空を見ると、金星とは別の明るい光が見えることがあります。しかもその光が移動したりしてびっくりするのですが、それは仙台空港への着陸態勢に入った旅客機の前照灯なのです。しばらく目で追っていると、やがて丸森の上空を通過して高度を下げながら太平洋側に向かっていく姿を見ることができます。コロナ禍の頃には少なかった旅客機ですが、最近は便数が増え、見る機会も増えています。
また、移動する光といえば、宇宙を飛んでいる国際宇宙ステーション(ISS)です。夜が短い春から夏にかけては、人工天体に太陽の光が当たりやすいため、見やすい時季になっています。インターネットで「きぼうを見よう」と検索すると、いつ、空のどのあたりに見えるかを知ることができます。国際宇宙ステーションも遠くない将来に老朽化で廃棄することになっていますので、今のうちに見ておいた方がいいかもしれませんね。現在は中国製の宇宙ステーションが建設中で、完成すると町内から飛行しているのを見ることができるようになります。また、アメリカでは、携帯電話通信用に何千個という人工衛星が打ち上げられている最中です。
夜空には、星以外の光る物体が案外と多いのです。ごく稀に火球と呼ばれる明るい流星や、人工衛星の大気圏突入も見ることもできます。近年、そのような現象が多くなっているように感じますが、車載カメラやスマホ、監視カメラなどの普及で、一般の方の撮影機会が多いためと考えられています。
東日本大震災以降の節電・環境配慮などにより、暗い夜空に星をきれいに見ることができましたが、復興が進むことで、街の明かりなどの光が増加し、星が見えにくくなってきています。あらためて星を見ようとしないと夜空に星が光っていることに気がつかない時代なのかもしれませんね。

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