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歴史民俗 ふるさと探訪(57)

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宮城県丸森町

■旧耕野小学校はロマンを秘めた縄文時代後期の遺跡
入大(いりだい)遺跡(耕野)

町には、約170カ所の遺跡が確認されています。特に多いのが縄文遺跡です。今回は縄文時代後期の遺跡、旧耕野小学校敷地内の「入大遺跡」を紹介します。
大正14年、校舎新築に際して整地したところ、たくさんの土偶片が出土したといわれていますが、この時見つかったものはほとんどが失われており、整地によって遺跡は消滅したものといわれていました。
しかし、昭和61年頃、正面玄関前に国旗掲揚塔を設置するために40センチくらい掘ったところ、多くの土器片が出てきました。また、前後して行われた松の木の植え替えの時にも、土器片が出てきました。
周知の遺跡でもあり、校舎新築の計画もあることから、町教育委員会が主体となり、県文化財保護課の協力を得て調査を行うことになりました。遺跡の状態を把握するための事前調査の結果、校庭下の厚い盛土層の下に遺跡包含層があることがわかり、校舎が建設される約1,000平方メートルを調査範囲とし、約1か月半の本調査が行われました。
この調査で出土した土器は、深鉢、浅鉢、壺と急須のような注口土器など平箱で40箱になりました。また、土製品として土偶(どぐう)(土の人形)14点、円盤状土製品6点、土錘(どすい)(漁具のおもり)6点、スタンプ状土製品3点等です。その中でも、遺構から大小セットで発見された土偶は、他に類例がないと当時は注目を集めました。そのほか、石鏃(せきぞく)(やじり)100点、石匙(せきさじ)(石のナイフ)4点、石錐(せきすい)(穴を開ける道具)4点、打製石器2点、磨製石器2点、石皿(摺り磨く道具)17点などの石器が出土しました。
少量の古代・中世の遺物も出土し、その一部は「まるもりふるさと館」に展示されています。旧耕野小学校の校庭に立ち、縄文のロマンに浸るのも一興かと思います。

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