丸森の自然(484)

16／21

■「彗星が見えました!」
阿武隈天文同好会　大槻功

明るくなると期待されていた「紫金山(ツチンシャン)・アトラス彗星」。我ながらなかなかの明るさで撮影ができましたのでその報告です。
テレビでも報道されましたが、皆さんは見つけられましたか?実際に空を眺めても、見つけるのはなかなか難しかったと思います。
私が最初に見つけたのは、10月1日でした。その頃はまだ夜明けの空に見えている時期です。淡くボヤッとしている彗星を見るには、できるだけ澄んだ空気の方が良いので、思い切って午前2時に家を出て夜明けの蔵王に向かいました。エコーラインのコマクサ平で車を停めて、明るくなりつつある東の空を眺めます。やがて姿を現してきた彗星は、立派な尾を伸ばした雄大な姿で、たいへんな感動と興奮でした!夜明けとともに消えてゆく姿を見届けて丸森に帰ってきました。
翌日も晴れて、今度は角田の四方山で見ることができましたが、その後は悪天候が続いてしまい彗星が見られない日々でした。
次に見たのは10月12日。今度は西空に廻ってきた時期で、夕方は仕事があるので蔵王に行くわけにもいきません。そこで自宅からほど近く、西空が良く見渡せる丸森の段田原峠に陣取りました。先日見たときよりも明るくなっていましたが、まだ地平線に付近だったので長い尾は確認できませんでした。
翌10月13日も連日の晴れに恵まれました。この日も段田原峠から狙います。はっきりと分かる彗星の尾を捉えることができました!実に立派な姿です。写真にもしっかりその姿を写しました。もちろん肉眼でもちゃんと見ることができるほどの明るさです。「ほうき星」とも呼ばれる、まさに「箒ほうきを逆さま」にしたような姿です。立派な姿を見られて良かったです!
10月17日は、満月でスーパームーン(月が今年一番大きく見える)でした。段田原峠で観望です。明るい月にも負けずに彗星が見えておりました。10月20日、良く晴れて月の影響もない時間帯に立派な彗星の姿が見られましたが、逆に福島盆地の夜景が邪魔かも…綺麗なのですけどね。これからは次第に遠ざかって小さくなっていくばかりです。いつまで見えているかな?

もう二度と戻ってこない彗星ですので、見ることができて良かった!久々に現れた明るい彗星でした。またいつか、こんな大きな彗星が現れることを期待して待ちましょう!