5月上旬、木々が芽吹き緑の鮮やかさも増し、初夏の過ごしやすい季節となってきました。4月26日から4月28日の3日間にかけて「カタクリ観察会」が行われました。端野自治区のカタクリは、北海道の分布限界に近い環境にあり、カタクリの群生地は北見市の文化財にも指定されています。群生地の場所は非公開で、ひっそりと自生しているカタクリですが、例年開催される同観察会では一般の方も見ることができます。今年も多くの方が参加し、きれいに咲くカタクリは、訪れた参加者の目を楽しませていました。
さて、今回は4月28日、その「カタクリ」をテーマとして北見市立端野図書館で開催された端野再発見講座「分布北東限に近い北見市端野カタクリ個体群」の話題についてお届けします。弘前大学名誉教授の石川幸男(いしかわゆきお)氏を講師に迎え、23人が受講しました。他の地域と比較して全般に個体サイズが小さく実は独自の特徴を獲得している端野のカタクリについて、長年調査協力を行っている観点から分析結果や保全策等についての講演がありました。最後に質疑応答も活発に行われ、有意義な時間となりました。
淡い赤紫色の花を咲かせ、「春の妖精」とも呼ばれるカタクリ。花びらが反り返ってうつむいて咲く姿はなんとも可憐で、万葉の時代から愛された植物です。片栗粉も、元々はカタクリの球根から取れるでん粉を調理に使用していたそうで、古くから日本人の生活と深い関わりを持ってきたそうです。今後の保護活動により、皆がカタクリを自由に観察できる日が来るといいですね。
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