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【特集1】ヤングケアラーを知る

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

■子どもが子どもでいられるために
近年、社会問題として取り上げられることが増えてきた「ヤングケアラー」。子どもが自分らしく過ごせるよう、私たちができることを考えてみませんか。

○ヤングケアラーの実態
大人に代わり、家事や家族の世話を日常的にしている子ども「ヤングケラー」。その責任や負担の重さにより、学校生活や友人関係などに支障をきたすことがあり、心身への影響も大きいことが問題となっています。しかし、家庭内のデリケートな問題であることや、本人や家族にも自覚が無い場合が多いことから、支援が必要であっても表面化しにくいことが指摘されています。


仙台市ヤングケアラー実態調査結果の一部(小学5年生。調査対象数8,528人、有効回答数3,435人)調査結果について、詳しくは市ホームページをご覧ください

市では、ヤングケアラーの支援ニーズ等を把握するため、市立学校の小学5年生、中学2年生および高校2年生を対象に、ヤングケアラーに関する実態調査を令和3年度に実施。「世話をしている家族がいる」との回答が最も多かったのが小学5年生(有効回答数の4・4パーセント)で、見守りや入浴、トイレのお世話などをしていることが分かりました。
また、「ヤングケアラーに当てはまる」と回答した児童は1パーセント。ヤングケアラーであるという自覚が無い子どもも多いと考えられることから、実際は、その数がさらに多いと予想されますが、「ヤングケアラーに当てはまらない」と回答した児童と比較して、家庭に悩みや困り事を抱えている割合が高い傾向が見られました。

○支援につなぐ体制構築
実態調査の結果を受け、市は、令和4年度からヤングケアラーへの支援体制を強化するため、子供相談支援センター(現・こども若者相談支援センター)内に相談窓口を設置しました。また、ヤングケアラー経験者や関係機関が当事者の支援にあたる「ピアサポート体制」を構築し、当事者とピアサポーターの意見交換の場として、オンラインサロンの運営を開始。当事者同士が気軽に悩みや経験を共有したり、当事者がピアサポーターからアドバイスを受けたりする機会を通して、ヤングケアラーの早期発見と支援につなげます。
当事者が迷わずSOSを出せるよう、周りに支援が必要と思われる子どもがいたら、まずは話をよく聞き、気持ちに寄り添うことが大切です。子どもが生まれ育った環境に左右されず、健やかに成長できるまちをつくっていきましょう。

■ヤングケアラーを正しく理解しよう
[01お手伝いとはちょっと違う]
勉強する時間が無くて授業についていけない、放課後に友だちと遊べないなど、子どもとしての時間と引き換えに、家事や家族の世話をしていることがあります

[02ヤングケアラーは悪いことではない]
家族のためにお世話をすること自体は、悪いことでも恥ずかしいことでもありません。ヤングケアラーでいることを、良い・悪いで判断しないように気を付けましょう

[03本人に自覚がないことが多い]
家事や家族の世話を「当たり前」と考え、自分がヤングケアラーだと気付かない子どもも多いです。知らぬ間に、心身へのダメージが蓄積しているかもしれません

[04大事なのは温かく見守ること]
大人がヤングケアラーに関心を持ち、子どもが相談しやすい環境をつくることが大切です。日頃から子どもを温かく見守り、話をよく聞いてあげましょう

■周りにこんな子はいませんか?ヤングケアラーかもしれません
・障害や病気のある家族に代わって家事をしている
・家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている
・障害や病気のある家族の介助や看病をしている
・アルコールなどの問題を抱える家族の対応をしている
・家計を支えるために労働している

■経験者インタビュー ヤングケアラー経験のある高校3年生にお話を伺いました
「晩ご飯の準備や洗濯、掃除の他にも妹の勉強を教えていました」と話すのは、両親、姉と妹の5人で暮らしていたAさん。中学3年生の時に母親が病気で倒れてから、家族のお世話をしてきたといいます。部活が終わると真っ先に帰宅していたAさんは、妹の「おなかすいた」の声に休む間もなく応えます。「元々家事は手伝っていたので慣れていましたが、友達と遊ぶ時間がとれず苦しかったです」と振り返ります。母親の病気の事で不安に感じることも多く、心身ともに疲弊していたAさんですが「学校の養護教諭や友人が話を聞いてくれて、だいぶ気持ちが楽になった」と周囲に相談することの大切さを実感したそう。続けて「周りの優しさが身に染みて、私自身も他の人に気を配れるようになりました」と話します。
今年3月に母親が亡くなるも、自らの経験を基に、悩んでいる子どもを支援したいとピアサポーターに登録したAさん。「ヤングケアラーがどんな支援を求めているのか、しっかり話を聞いていきたい」と力強く語ります。最後に「つらいときは少しでも発散できる人や場所を見つけて、一人で抱え込まないでほしい」とヤングケアラーにメッセージを送ってくれました。

■ヤングケアラー同士の交流 ヤングケアラーオンラインサロン―先輩とつながるオンラインイベント
ヤングケアラー経験者の体験談を聞いて、当事者同士がゆるく交流します。ニックネームでの参加、話を聞くだけでの参加も大歓迎です。
日時:10月6日(金)、12月15日(金)20:00~21:00
内容:先輩ヤングケアラーの紹介、経験共有等
対象:県内にお住まいか通学している小学生~大学生
参加方法など詳しくはこちら(本紙またはPDF版に掲載の二次元コードをご利用ください)

問合せ:NPO法人アスイク
【電話】781・5576【HP】https://sendai-youngcarer.asuiku.org

■悩んだら迷わず相談を
Xエックス(旧ツイッター)で:せんだい・みやぎヤングケアラーオンラインサロン
Xはこちら(本紙またはPDF版に掲載の二次元コードをご利用ください)
電話・Eメールで:
こども若者相談支援センター
【電話】0120・783・017【メール】kodomo@city.sendai.jp
面接相談も対応します。詳しくは電話でご相談を

問合せ:こども家庭保健課
【電話】214・8606【FAX】214・8610

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