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【市長コラム】春夏秋冬

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

仙台市長 郡 和子

■文化芸術の力で誰もが輝けるまちへ
本市では、文化芸術が持つ多様な力をまちづくりに生かそうと、「(仮称)仙台市文化芸術推進基本計画」の策定を進めています。ちょうど今、中間案に対するパブリックコメントを実施中です。そこで、今回は文化芸術について、中でも障害のある方の活動を取り上げることにしました。
9月に東京で開催された障害者の国際舞台芸術コンクール「ゴールドコンサート」20周年記念大会で、仙台市出身の「笙(しょう)YUU(ユウ)」さん(高橋由宇さん)が、グランドチャンピオンに選ばれました。審査員長の湯川れい子さんは「『笙』という、メロディーを立てて演奏するのが難しい楽器で、聴く者の心のカーテンを広げるような力強さ、もはやプロになるしかない人」とコメントしています。笙YUUさんは、ウィリアムズ症候群という障害があるのですが、和楽器「笙」を操り、クラシックやジャズなどの他、オリジナル曲で演奏活動を続けています。カーネギーホールで演奏したこともあるとのことで、世界でのさらなる活躍を期待しています。
10月、せんだいメディアテークでは、「Art(アート)to(トゥ)You(ユー)!東北障がい者芸術全国公募展」が開かれ、内閣総理大臣賞をはじめ、絵画等の受賞・入選作品が展示されました。色彩や構図、緻密さ等独創的な力強い作品の数々は、見る人の心をわしづかみにし、仙台の芸術の秋を彩る人気の展覧会に成長しています。10周年の記念公募展となる来年は、海外からも作品を募ろうと準備が進められています。
これまで日本では、障害者の表現活動について、文化芸術の枠組みではなく福祉や教育の観点で語られることが多かったように思います。しかし、その個性からふつふつ湧き上がる表現の数々は、かけがえのない価値を持つものとして評価され、最近は作品として販売につながるケースも広がってきました。芸術には障害の有無は関係ない、そして私たちは、感動によってより深くその人を理解していく。だから、「あらゆる人に参加機会がひらかれ、文化芸術に親しめるまち」、そして「多様な個性が輝くまち」を目指さなければと思うのです。中間案への皆さまのご意見をお待ちしております!

※次回の掲載は3月号を予定しています

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