郡市長がさまざまな現場を訪問し市民の皆さまの活動の様子などをお伝えします
■第62回 東北工業大学環境サークルたんぽぽ編
学内外の環境保全活動や子どもたちとの交流活動に取り組む「東北工業大学環境サークルたんぽぽ」の皆さんにお話を伺いました
○地域の中で生きた学びを経験
東北工業大学では、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証を取得し、大学全体で環境保全に取り組んでいます。その中で、学生が主体となって精力的に活動しているのが「東北工業大学環境サークルたんぽぽ」の皆さんです。
「学生による環境活動を促し、支援するために組織された『ISO学生サポーター』のメンバーが、より幅広い活動の場を求めて、平成24年にこのサークルを立ち上げました」と教えてくれるのは、代表の今野聖琉(せいりゅう)さん。現在45人が所属し、他大学の環境団体や企業などと連携しながら、環境保全につながるさまざまな活動を行っています。「大学ではペットボトルキャップの回収や、キャンパス周辺の美化活動を行っています。月に1回ごみ拾いをするのですが、毎月同じぐらいの量のごみが落ちており、継続することの大切さを実感しています」と今野さんは続けます。
他にも、広瀬川の一斉清掃に参加したり、仙台・青葉まつりでごみ分別を呼びかけるエコステーションを運営したりと、地域のイベントにも積極的に参加。齋藤琉花(るか)さんは「大学では環境応用化学という専門分野を学んでいますが、青葉まつりのエコステーションの運営を通して、自分も正しい分別方法やリサイクルの重要性をあらためて知ることができました」と話します。
学生の皆さんが、さまざまなフィールドに出て、地域の方とも交流しながら活動することを心強く思います。
○交流を通して普及啓発
たんぽぽの皆さんは、環境についてより多くの方に知ってもらえるような取り組みも行っています。「子どもたちが自然を身近に感じられるようにと、市民センターと協力し、ドングリなどの自然素材を使った工作を企画しました」と話すのは、大久保こゆきさん。「子どもたちだけでなく年配の方々にも喜んでもらえたことがうれしかったです」と充実感をにじませます。
さらには仙台を飛び出し、東日本大震災の津波で失われた松島湾の藻場(もば)の再生にも携わっているそう。小野寺惟頼(いより)さんは「アマモの生えやすい環境作りにつながるよう、観光客の方々に福浦橋から砂団子を海に投げ入れてもらうイベントがあり、その手伝いや宣伝ポスター制作を行っています。松島を訪れた方に楽しみながら藻場の現状を知ってもらえれば」と意義を語ります。
一口に環境と言ってもまちの美化や自然、生態系など幅広いのですが、人々との交流を通して、それらへの関心を高めていただいているのは素晴らしいことだと思います。今野さんは「自分たちが学んだことを後輩にも受け継ぎながら団体としても成長し、市民の方々に環境に対する意識を少しずつ持っていただけるような活動をしていきたい」と力強く語ってくれました。
○若者の活躍が発展の力に
本市はSDGs(エスディージーズ)未来都市や脱炭素先行地域に選定され、環境に関するさまざまな施策を進めています。その中で、たんぽぽの皆さんのような将来のまちづくりを担う若い世代の活躍は大変頼もしいことです。今後も皆さんの協力をいただきながら、持続可能なまちを目指して取り組んでまいります。
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