■「仙台声明」採択―観光レジリエンスサミット開催
11月9日から11日まで、仙台国際センター等を会場に国際会議「観光レジリエンスサミット」が開催され、アジア太平洋地域から日本を含め10カ国と7つの関係機関が参加しました。10日に行われた閣僚級会合では、自然災害等の危機に対する観光分野の強靭(きょうじん)性(レジリエンス)の強化をテーマに議論を展開。各地域の特徴を踏まえながら、直面し得るリスクを把握・評価し、観光分野に活用することなどを盛り込んだ共同声明「仙台声明」が採択されました。会合には市長も出席し、本市の東日本大震災からの復興や防災環境都市の取り組み等を紹介しました。
期間中、各国の参加者をおもてなしするため、さまざまな企画を実施。仙臺緑彩館で着付けなどの日本文化の体験が行われたほか、秋保地区での歓迎イベントでは、地元の食材を使った料理の提供に加え、仙台すずめ踊りなどが披露され、参加者は仙台・東北の食や文化を堪能していました。会合後には、市内や東北各地の観光地を巡るツアーを開催。震災遺構仙台市立荒浜小学校や仙台うみの杜水族館等を見学し、震災による被災の状況やそこからの復興・にぎわい創出の取り組みについての説明に、参加者は耳を傾けていました。
今回の会合を契機に、国際社会に向けて仙台・東北の観光の魅力をPRし、東北全体の交流人口の拡大につなげていきます。
■世界に選ばれる都市の実現に向けて―フィリピン、タイ訪問
市では、国内外から選ばれる都市を目指し、防災をはじめとする本市の取り組みの発信や、誘客促進等に取り組んでいます。
10月17日、フィリピンの首都マニラで開催された「アジア太平洋防災閣僚級会合」の全体会合の一つに市長が登壇し、自治体が地域の多様な主体と連携しながら防災に取り組むことの重要性などを発信しました。会合の最後には、国連防災機関から、都市の強靭化において高い知見を有する都市として「MCR2030レジリエンス・ハブ」に認定されました。これは本市の防災環境都市づくりの取り組みなどが評価されたもので、国内では初の認定です。今後も本市が培った知見等を発信し、世界の防災の発展に貢献していきます。
また、10月29日から11月1日にかけて、市長をはじめとする訪問団がタイの首都バンコクを訪問しました。今回の訪問では、名取市・岩沼市の両市長や山形市、福島市も参加し、東北全体へのインバウンド拡大に向けたトップセールスを行いました。仙台―バンコク直行便の再開を働きかけるため、タイの航空会社や関係機関を訪問したほか、タイの旅行会社を対象に観光PRイベントを実施。このほか、介護人材の確保に向けた新たな取り組みとして、日本へ多くの人材を送り出している団体を訪問し、視察や意見交換を行いました。引き続き、観光交流をはじめ、ビジネスや介護人材の確保など、さまざまな分野でのタイとの交流促進に取り組んでいきます。
■青葉山エリアをバスで巡る―自動運転の運行実験を実施
10月20日から27日まで(23・24日を除く)、地下鉄国際センター駅から仙台城跡までの区間において、自動運転バスの運行実験を実施しました。
これは青葉山エリアの回遊性向上に向け、東北大学や民間事業者と連携して取り組んでいるものです。今年2月には、事前調査として自動運転技術を搭載したEVバス(電動バス)を手動で運行。今回は原則アクセルやブレーキ、ハンドルをシステムが制御し、緊急時は同乗の運転手による手動運転に切り替える形で運行しました。期間中には、観光客など延べ983人が乗車し、乗り心地等を確認していました。
今後、実証を積み重ねながら、早期の自動運転の実用化を目指します。
■46年間の感謝の気持ちを込めて―は虫類館閉館
八木山動物公園フジサキの杜では、老朽化した施設の長寿命化と園内の魅力向上を目的とした再整備を進めています。それに伴い、カメやヘビなどを展示する、は虫類館が11月4日に閉館しました。
閉館を前にした10月16日、は虫類館さよなら特別イベント「おえかき爬虫(はちゅう)類館―壁に思い出を描こう!」が開催されました。これは昭和53年の開館から多くの人に親しまれた、は虫類館の最後の思い出づくりのために企画されたもの。当日は家族連れを中心に100人以上が参加し、は虫類館の内壁等に思い思いに絵やメッセージを描いていました。参加者からは、「家族で何度も来ていたので、寂しい」という声が聞かれました。
これまで、は虫類館で飼育していた動物は他園への搬出の他、裏飼(うらがい)施設(展示していない一時的な飼育場所)で飼育管理されます。また、閉館後の跡地はアフリカ園と一体的に整備され、アフリカ地域の肉食・草食動物の集約展示を行うエリアとして令和10年度に完成する予定です。
■優れた技能と長年の功績をたたえて
市では、長年にわたり優れた技能で市民生活を支え、仙台のまちづくりの基礎を築いてきた技能職の方々を技能功労者として表彰しています。11月11日に行われた技能功労者表彰式では、21職種34人の方々を表彰しました。表彰された方は、本紙またはPDF版をご覧ください。
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