郡市長がさまざまな現場を訪問し市民の皆さまの活動の様子などをお伝えします
■第52回 秋保食生活改善推進員会編
太白区秋保で食を通じた健康づくりに取り組む「秋保食生活改善推進員会」の皆さんにお話を伺いました。
○よりよい食生活で支える健康
秋保食生活改善推進員会は、昭和53年に「私たちの健康は私たちの手で」をスローガンに発足したボランティア団体で、現在は11人で活動しています。当初から在籍する前会長の相澤かず子さんは「栄養士の指導で塩分や野菜の勉強をしたり、秋保の行事食を普及させるため冊子にまとめたりしてきました。また地域の方に向けて、みそ汁の塩分濃度測定会や試食を通して薄味に慣れてもらうよう努めてきたほか、野菜を1日350グラムは食べることなどさまざまな啓発をしてきました」と振り返ります。現会長の伊藤すみ子さんは「最近は秋保でお正月に食べられている行事食『おくずかけ』の調理実習や、各家庭のみそ汁を持ち寄っての塩分濃度測定を行いました」と紹介。実際に手本となるみそ汁を作って食べ比べるなどしながら学びを深めているそうです。今回、私も試食させていただきましたが、薄味でもだしが利いているとおいしく感じられ、普段の味付けを見直す機会になりました。また、副会長の柴田典子さんは「薄味の料理でもショウガやレモンで味付けをするとおいしくなることや、地域によって食生活が違うことなど、とても勉強になります」と、活動で得られた気付きを教えてくれました。
○幅広い地区や世代に向けて
自分たちの学びを地域の方々に発信するのも、推進員の重要な活動の一つ。「地域の集まりの時に、皆さんに健康的な食生活について伝えたり、勉強会に誘ったりしています。また、私たちの活動を地域の方々に見てもらうことも大事。秋保のイベント『まつりだ秋保』ではパネル展示もしています」と、伊藤会長は話します。相澤さんは「年配の方などは濃い味を好む人が多く、以前は試食会をすると味が薄いとよく言われていました。でも続けていくうちにそういう声を聞かなくなってきたので、活動してきて良かった」と、手応えを感じているそうです。
一方、若い世代の会員が少ないことや、秋保の中でも一部の地区にしか会員がいないという課題もあるのだとか。伊藤いつ子さんは「いろいろな地区の人に参加してもらい、勉強したことを各地区で周知してもらいたい」と展望を語ります。齋藤節子さんは「みんなで料理を作るのも楽しいし、外出して人と交流するきっかけにもなります」と活動の魅力をアピール。菅原三和子さんも「普段作らないような料理のレシピを教えてもらえるなど知識も広がりますので、興味を持って参加してくれる方が増えたらうれしいです」と、期待を込めて語ってくれました。
○秋保の皆さんの元気のために
国の食育推進に関する計画では、食育を推進するためには食生活改善推進員のようなボランティアが果たす役割が重要だと示されています。高齢化が進む中、地域の方々の健康に対する意識を高めるため、長年にわたり皆さんが続けてきた活動には大きな意義があると感じました。今後も一人一人の意識向上や適切な食生活の確保に向けて、より一層ご活躍いただきたいと思います。
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