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3・11震災文庫を読む 70

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

東日本大震災を語り継ぐため市民図書館に設けた「3・11震災文庫」。所蔵する約1万冊から、よりすぐりの本をご紹介します。

■震災調査から見えた社会的課題を伝える
NPO法人イコールネット仙台常務理事
宗片 恵美子

○「東日本大震災に伴う『震災と女性』に関する調査―聞き取り集40人の女性たちが語る東日本大震災」
NPO法人イコールネット仙台/編・刊

2012年、宮城県内の40人の女性を対象に、震災の経験について聞き取り調査を実施しました。協力者は、障害のある方やLGBTQの方、自治体職員等さまざまです。「職場から離れられないため、子どもの安否が確かめられずに不安と心配の中にいた」、「1人暮らしの高齢の母親を寒さから守るために、『この母を死なせてはいけない』と必死だった」等、女性たちの3月11日は筆舌に尽くし難いものでした。
女性たちは家族等のケアの役割を担いながら震災を乗り切ってきました。本書では、平時からあるジェンダーに関する課題が、災害時に顕在化し深刻化することを改めて伝えています。

○「東日本大震災から10年を振り返る『震災と女性』に関する調査(2021)報告書―一人ひとりの真の復興をめざして」
NPO法人イコールネット仙台/編・刊

2011年9月、宮城県内の女性を対象に「東日本大震災に伴う『震災と女性』に関する調査」を実施し、10年を経た2021年、後継調査として本調査を実施しました。
この間、女性たちの暮らしはどのように変化したのか、一人一人の復興は果たされたのか。「家族」「経済」「地域」「健康」をテーマに調査を行っています。結果からは、震災以降女性たちがさまざまな防災活動に積極的に取り組んできたことが分かります。しかし、防災会議や避難所運営委員会など意思決定の場に登用されている女性の数は依然として少なく、防災・減災分野への女性の参画がより一層必要であることを提起しています。

紹介した本は、市民図書館でご覧いただけます

問合せ:市民図書館
【電話】261・1585

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