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自治体の皆さまへ

古今東西 ぐん(郡)ぐん(郡)行きます! 第56回

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

郡市長がさまざまな現場を訪問し市民の皆さまの活動の様子などをお伝えします

■第56回 仙台市ひきこもり地域支援センター編
本市のひきこもり支援の中核を担う「ひきこもり地域支援センター」を訪問し、ひきこもり当事者の方やその家族、支援しているスタッフの皆さんにお話を伺いました。

○ひきこもる心を理解する
仙台市ひきこもり地域支援センター「ほわっと・わたげ」では、ひきこもりに悩む本人や家族への面談や訪問、日中の居場所となるフリースペースの開設など、きめ細かな支援に取り組んでいます。
「本人が元気になること、ご家族の方が安心できること、そしてその先に未来を描けることを目指しています」と話すのは、センターを運営するわたげ福祉会理事長の秋田敦子さん。「ひきこもりというと生活状況などが注目されますが、そうした状態よりも本人の心理を理解することが重要。そのため、本人や家族と信頼関係を築くことを大事にしています」と続けます。
フリースペースで利用者と接するセンター長の秋田剛志(たかし)さんは「形としては『支援者』と『利用者』ですが、自分が出会ってきた仲間と同じように、対等な関わり方をしています」と教えてくれました。一人一人の思いを理解し、寄り添うことが支援の第一歩なのだと、あらためて認識しました。

○地域での暮らしを見据えて
ひきこもりの方が抱える困難は人それぞれ違います。「進学を考える時期に将来のビジョンが見えず、思い悩んだのがひきこもったきっかけ」と話すのは、自立に向けて、寮で共同生活を送る当事者の方。「他の人との差を意識して、不安を強く感じていた」とのことですが、フリースペースの利用から始まり、センターから紹介された仕事を4年間続けられたそう。「自分はどこにも行きようがないと思っていた」という方も「センターに来て、自分と似た境遇や経験のある人と出会えたことで、少しほっとできました」と話し、現在は毎日ワクワクしながら仕事に通っているといいます。
また、相談の多くは家族から寄せられるため、センターでは個別相談や勉強会など、家族への継続的な支援も行っています。母親勉強会では当事者との関わり方の工夫などを学んでいるそうで、参加している方は「食事に楽しみを感じられるよう、エスニック料理を作って家の中で外食気分を味わえるようにしました」と一例を教えてくれました。父親勉強会の後には交流会が開かれ、当事者の方も参加するそう。父親から厳しく育てられたという当事者の方は「他の父親の方の気持ちを知り、自分の父親にも感謝の気持ちを持てるようになりました」と語ってくれました。人と人がつながり、親も子も互いに理解を深めていくのですね。
秋田理事長は「支援では、親亡き後も想定しなければなりません。地域の中で孤立せず、人とつながりながら生きていけるようになることが大切です」と、ひきこもりの方も地域の一員であることの重要性を強調しました。

○誰もが自分らしく輝けるまち
ひきこもりは、身近なことがきっかけとなり、誰にでも起こり得るもの。当事者の方が、支援を受けてさまざまな困難を乗り越え、堂々と話されている姿は大変力強いものでした。
市では、誰もが孤立せず、自分らしく生き生きと暮らしていくことができるよう、引き続きひきこもり支援の充実に向けた取り組みを進めてまいります。

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