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3・11震災文庫を読む 73

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

東日本大震災を語り継ぐため市民図書館に設けた「3・11震災文庫」。所蔵する約1万冊から、よりすぐりの本をご紹介します。

■展覧会が残した宝物、生きるよろこびを問うメディア
NPO法人エイブル・アート・ジャパン 代表理事 柴崎 由美子

○「東日本大震災復興支援 若冲(じゃくちゅう)が来てくれました プライスコレクション江戸絵画の美と生命 展覧会カタログ」
仙台市博物館ほか/編
日本経済新聞社刊(2013年5月発行)
東日本大震災から2年後、仙台市博物館等を巡回した展覧会のカタログ。江戸絵画のコレクターである、アメリカ在住のプライスさん夫妻、そして国内外のミュージアム関係者が展覧会を実現しました。子どもたちをはじめ、これまで美術の展覧会になじみのなかった人々にも見てほしい、そんな願いがぎゅっと凝縮されています。
例えば、漢字の多い題には、「柳下幽霊図―ヤナギのしたのゆうれい」と書き添えられ、見る者の世界をやわらかに広げてくれます。
今春、リニューアルオープンした仙台市博物館には、この理念が随所に見られ、カタログをめくりながら、展覧会が残した宝物に私は思いをはせています。

○「コトノネ社会をたのしくする障害者メディアVol.(ボリューム)50」
コトノネ生活/編・刊
「コトノネ」1号は、東日本大震災をきっかけに生まれました。雑誌の創刊に関わった東京のデザイン会社が、いつのまにか季刊年4回、自費で出版し続けるメディアとなりました。
50号を迎えたこの号は、偶然にも能登半島地震の特集です。発災したその日の障害のある人自身の体験談や、復旧に向けた家族や福祉施設等のドキュメントが紹介されています。また、連載記事には1995年の阪神・淡路大震災を契機とした「協同労働」という生き方に関する記事や、南海トラフ地震を巡る政治と報道のあり方を問うインタビューなどが掲載されています。
やさしく、厳しく「生きるよろこび」を問う、骨太の本です。

紹介した本は、市民図書館でご覧いただけます

問合せ:市民図書館
【電話】261・1585

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