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【特集1】新春市長対談 仙台から描く未来―世界へ飛躍する若き力(2)

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

■仙台・東北への思い
[市長]現在開発中の最初の人工衛星に「あおば」という名前が付いているそうですが、その由来は。
[小林]名前は社内公募で決めたんですが、開発の拠点としている青葉山と、この人工衛星が誰もが宇宙で生活できる世界という目標の最初の一歩、まさに青葉のようなもので、ここからどんどん成長していきたいという、二つの意味が込められています。
[市長]青葉山は「仙台はじまりの地」と言えるエリアでもあり、本市としても重要な場所ですので、ここにちなんだ名前を付けていただいたことをうれしく思います。小林さんは現在も仙台を拠点に活動されていますが、仙台のまちはお好きですか。
[小林]すごく好きですね。大学からずっと仙台に住んでいますが、自然も豊かで、大学も含めて面白い人たちが集まっているまちだと思っています。その中で、もったいないと感じているのは、仙台に住み続けたいと思っていても、就職で東京の方に行ってしまう人がすごく多いこと。その現状を変えていきたいと強く思っていて、そのためにはこの地域に大きな企業をつくり、産業をつくっていく。それを実現することで、仙台・東北に貢献したいと思っています。
[市長]就職で仙台を離れる方が多いことは、まさに本市の課題の一つです。小林さんのような思いを持つ方がいることは本当に心強いですし、そのような企業が仙台で生まれ、発展していく未来を想像するとわくわくしてきました。
[小林]実は東北はいろいろ宇宙とのつながりがあるんです。角田市の宇宙センターや岩手の国立天文台。さらに秋田は日本のロケット発祥の地といわれているんです。あと、仙台の七夕まつりも宇宙とつながりがありますしね。
[市長]確かにそうですね!
[小林]宇宙産業はこれからの日本を支える基幹産業になると思っています。仙台で宇宙という新たな産業を立ち上げることで、東北の活性化につなげることができたら。
[市長]壮大な目標に向けて道筋を描き、着実に歩みを進めていらっしゃって、とても感心しましたけれども、小さい頃からそういうお子さんだったんでしょうか。
[小林]普通の田舎の子どもだったと思います。おじいちゃん子で、山や海に行って自由に遊んでました。小学生の時は松林で落とし穴を掘ったり…。
[市長]いたずらっ子だったんですね(笑)。
[小林]その頃の冒険心が起業家精神に生きているんですかね(笑)。

■挑戦を後押しし、誰もが活躍できるまちに
[市長]本市でも「スタートアップするなら仙台・東北で」を合言葉に、多くのスタートアップを輩出していこうと取り組んでいます。小林仙台は東京からのアクセスも良く、たくさんの事業の種が埋まっている東北大学があります。その中で、行政もスタートアップや新しい産業の支援に力を入れているというのは、非常に挑戦しやすい環境だと感じています。市長若い方の世界に向けた挑戦の後押しに加え、本市では多様性を尊重し、誰もが活躍できるダイバーシティまちづくりを掲げています。小林さんには仙台市ダイバーシティ推進会議の委員を務めていただいています。これまで、指針の策定に向けて活発なご議論をいただいてきましたが、小林さんは仙台のまちがどのようになると良いとお考えですか。
[小林]ダイバーシティをいかにまちの力に変えていけるか、そういう視点が一番重要だと考えています。企業が海外の人材を雇用する時に、受け入れ環境として、まちがダイバーシティに対応していることが欠かせません。誰もが住みやすいまちをつくることで、いろいろな方が来て、多様な人の交流による掛け合わせが生まれる。それがスタートアップの創出や事業の成長、さらにはまちの発展にもつながっていくと思います。
[市長]小林さんのように、仙台の子どもたちに夢を持ってもらいたいと思っているんですが、小林さんは若い世代にどのように将来を考えてもらいたいと思いますか。
[小林]私の場合は、たまたま19歳の時に熱中できるものに出会えたというのがすごく運が良かったことだと思っていて。夢や目標に出会うことは簡単ではないかもしれませんが、いろんな活動をして、いろんな価値観に触れてもらいたいですね。また、地方で育って地方で起業した僕みたいな人もいるんだと一つの選択肢として、参考にしてもらえたらうれしいです。そのためには、私自身が大きな挑戦をしていかないといけないですし、結果を出していきたいと思っています。
[市長]一つの出会いで、これだけ大きな夢の実現に向かって歩みを進められるというのはなかなかできることではないですよね。それこそ、小林さんが世界から注目され、たくさんの賞を受賞されているゆえんだと思います。挑戦する姿をご自身でも発信していただいて、私たちの励みや仙台の子どもたちの目標になっていただけるとありがたいです。最後に市民の皆さんにメッセージをお願いします。
[小林]宇宙というと遠くのものと思いがちですが、宇宙開発は人の未来を豊かにすると思っています。簡単なことばかりではないので、何より励みになるのは、周りの方々に応援してもらっていると感じられることなんです。多くの市民の皆さんに宇宙開発の必要性や大切さを知ってもらって、応援していただけたらうれしいですね。
[市長]人の未来を豊かにするという点では、私も市民の皆さんに対して同じ役目があると思っています。私も国内外から選ばれる都市を目指し、全ての人が力を発揮できるまちづくりを進めてまいります。小林さんの今後のますますのご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。

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