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自治体の皆さまへ

古今東西 郡(ぐん)郡(ぐん)行きます! 第63回

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

郡市長がさまざまな現場を訪問し市民の皆さまの活動の様子などをお伝えします

■第63回 六郷くろしお太鼓応援隊編
六郷地区で「くろしお太鼓」の継承と地域住民との交流を目的に活動する「六郷くろしお太鼓応援隊」の皆さんにお話を伺いました。

○多世代交流が生まれる活動
東六郷小学校で平成7年に始まり、その後代々受け継がれてきた「くろしお太鼓」。東六郷小は東日本大震災の津波で校舎が被災し、平成29年3月に閉校しましたが、くろしお太鼓は六郷小学校に引き継がれ、学校行事や地域のお祭りなどで披露されています。この活動を支え、継承しようと取り組んでいるのが「六郷くろしお太鼓応援隊」の皆さんです。
「イベントに出るといった活動を学校だけで続けるのは難しく、太鼓が地域に根付いていくにはサポートが必要だろうと、令和2年に有志で応援隊が結成されました」と話すのは、代表の根本暁生さん。現在は子どもから大人まで約35人が参加し、一緒に練習や演奏をしています。
森一敏さんは「メンバーの年代はさまざまですが、上下関係なく、一緒に一つのものを作り上げるのが本当に楽しいです」と充実した表情を見せます。「普段は世代間の交流の機会が少ないので、子どもにも良い環境だと思います」と話すのは、那須幸恵さん。「地域の居場所のような感じで、もっと自由に多くの子どもたちに来てもらえたら」と期待を込めます。
楽しみながら、多世代が緩やかにつながることで、たくさんの良い効果が生まれているのですね。

○太鼓とともに受け継ぐ思い
技術顧問として太鼓を教えている鹿井(かのい)光彦さんは、かつて教員として東六郷小や六郷小に勤務していました。「震災当時は六郷小に勤めていたのですが、震災後半年ほどたったころに、東六郷小が間借りしていた中学校から太鼓の音が聞こえてきたんです。地域のシンボルが戻ってきた、という気持ちでした」と鹿井さんは振り返ります。根本さんは「東六郷は子どもたちにも愛されている地域でしたが、今はそれを知らない子もいます。今後は活動を通して地域のことを知ってもらう機会にもなれば」と思いを口にします。
活動には、東六郷小の元在校生が参加してくれることもあるそう。「演奏が体に染み付いていて、ぶっつけ本番で入った時でも音やたたく姿がビシッと決まるんです。本当に感動しますし、六郷の子どもたちにもそんな姿を見せていきたいです」という佐藤みえさんの話に、皆さんもうなずいていました。地区を渡り、世代を超えて受け継がれるくろしお太鼓。震災を経験していない世代が増える中、地域の文化を継承する活動の意義は大きいと感じました。鹿井さんは「震災後に私が太鼓の音を聞いて感じたように、六郷地区の皆さんに広くこの太鼓が地域のシンボルだと思ってもらえるようになればありがたいです」と希望を語りました。
皆さんにお話を伺った後、実際に太鼓の演奏を聴かせていただきました。それぞれの思いがこもった力強い音が、しっかりと心に響きました。

○六郷の地にこれからも
活動を通して多世代がつながり、地域のコミュニティーを活性化させている六郷くろしお太鼓応援隊の皆さん。この先も、太鼓の音がこの地域に響き続けることを願ってやみません。
本市としても、地域の交流を活発化させる活動が、まち全体に広がるよう取り組んでまいります。

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