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3・11震災文庫を読む 76

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

東日本大震災を語り継ぐため市民図書館に設けた「3・11震災文庫」。所蔵する約1万冊から、よりすぐりの本をご紹介します。

■先品に刻まれた動揺と希望
郷土史漫画家 千葉 真弓

○「独眼竜政宗―慶長の出帆(しゅっぱん)編」
千葉真弓/著
河北新報平成25年1月1日第3朝刊掲載
「独眼竜政宗―慶長の出帆編」は、2024年完結の全3巻のマンガ「独眼竜政宗」本編に収録しなかった幻の作品です。震災からちょうど400年前の慶長16(1611)年、奥州を大津波が襲っていたことが知られると、まさにその時代にいた伊達政宗はどう対応したのかに興味が集まりました。1613年には慶長遣欧使節をメキシコに送り、1614年には大坂冬の陣、翌年夏の陣という時期です。
東日本大震災の余震のさなか、私、筆者は震災を乗り切る政宗を夢見てしまいました。余震と動揺の中で描いた歴史ファンタジーです。史実重視の本編と意味は異なりますが、平成の震災を語る作品でもあるのです。

○「漂流茶箱の冒険」
千葉真弓/著
NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク(宮城資料ネット)他 刊
表紙を含め全3ページの4コマ漫画です。震災後の宮城資料ネットによる資料レスキュー活動の中での実話を基にしています。津波にのまれた女川町の蔵から古文書を入れた茶箱が流出し、対岸に漂着しました。見つけた人たちが安全な場所に運び、避難所の人たちが守り、宮城資料ネットに運ばれ、さらに遠く奈良文化財研究所の皆さんによって保全され、宮城に戻りました。
茶箱に古い文書が入っていたら、大切にされていたものだと、多くの人たちが知っていて、あの状況下で守ったのです。茶箱は、その後幾度か博物館や東北大学などの震災関連展示に登場して、文化財レスキューの物語を伝えました。

紹介した本は、市民図書館でご覧いただけます

問合せ:市民図書館
【電話】261・1585

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