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町長コラム ベア・パル

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宮城県利府町

■ぺんぺん草を繁茂させるには

先日、宮城県観光地所在町村協議会の15町村長で「かかぁ天下と空っ風」がシンボルの群馬県甘楽(かんら)町に行き、同町がどのように観光政策をうち、交流人口を増やしているのかなどを視察してまいりました。まったく承知をしていなかったのですが、甘楽町は「織田信長サミット」も開催され、織田家とゆかりが深く(旧小幡藩の城下町。信長公の次男信雄氏の系統)歴史と伝統ある地域です。小幡城址に整備された国指定の大名庭園楽山園の美しさには度肝を抜かれた思いでした。
しかし、最も印象に残ったのは「こんにゃくパーク」を訪問した時でした。テレビ等でも頻繁に取り上げられている一民間企業のテーマパークなのですが、その懐の広さというか気前の良さ、子どもたちを楽しませる心意気などなど驚くことが多かった施設でした。まず、同社で作られているこんにゃくがこんにゃくバイキングで無料食べ放題。こんにゃく作り体験やこんにゃく詰め放題、こんにゃくで作ったラーメン、焼きそばなど商品開発の多様さは群を見ないほどでありました。もちろん自社のPRを兼ねてでしょうが、連日タレントショーはあるし、観覧車など遊園地のような遊具も工場見学もなんでもありのテーマパーク型施設にただただ目をみはるばかりでした。本当に群馬県民の気質というか、気性を感じさせるシンボルだと思いました。ひるがえってわがふるさと宮城は、と言えば…私たちの課題が見えた気がしました。
群馬県は競輪、競馬、競艇、オートと公営ギャンブル施設が4つもある県で、どうなんだろうと思っていた自分の狭隘(きょうあい)な視野に猛省をしているところでありますが、今となっては豪快なお金の使い方をする県民性なのかなと思ったりもします。上州名物の一つ「かかぁ天下」は養蚕、製糸、織物といった近代日本を支えた経済力のある女性を表す言葉ですが、この上州人気質が利他主義の原点なのではないかと、女性活躍の先人たちに敬意を表すのであります。
山城ではありますが、私たちも城跡を有しています。利府の女(ひと)と言えば藩政時代から評判がいいことは当コラムでも紹介しました。今年は湿度も高く猛暑続きでしたが、宮城にも上州名物であるカラっとした「空っ風」の吹く季節を楽しみに待ちたいと思います。

利府町長 熊谷 大(ゆたか)

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