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町長コラム ベア・パル

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宮城県利府町

■Z世代
先日、PRのあり方や文化創造についての講演をききました。そのトピックも面白かったのですが、それより興味深い内容が「世代の捉え方」でした。各世代に名称があり、今の若者は「Z世代」と言われています。作家の堺屋太一氏が団塊の世代を定義付けしてから、新人類、団塊のジュニア、ミレニアム世代、ゆとり世代、そしてZ世代と変遷していきます。Z世代の特徴は人間関係において裏切られる事を忌避し「失敗を極めて恐れる」ことであり、故にバーチャルな方向へ向かう傾向にあると分析されていました。相談相手の第一位は「母親」だそうです。
私も人を見るときはなるべく偏見を持たないように心がけていますが、それでもその人がどの世代に属しているのかと出身地はどこか、は必ず押さえます。団塊のジュニア世代の私は、人口フレームで団塊の世代に次いで大きなボリュームを有しているにもかかわらず、バブル崩壊、それに続く就職氷河期に苛(さいな)まされた世代ですので、チャレンジする事への機会すら無かったのではないかと感じていますし、未だにその影が色濃くて、次世代を産み育てられず苦労している世代だと思っています。それはちょうど希望に光り輝く文明開花の明治世代とその影を背負って数々の戦争で多大なる犠牲者を出してしまった大正時代生まれの認識と似ているのかもしれません。
団塊の世代、ベビーブーマー世代が超高齢化に突入する中、若い世代が前世代の殻を破り新しい日本や地域を建設しなければならない時期だと感じています。しかし、肝心の「Z世代」が失敗を恐れているのでは先が思いやられます。
日本社会全体が保守的傾向になる事、これはいつぞやの英国病と似たような状況で、まさしく「日本病」と定義しても良いのではないでしょうか。このまま日本病にうなされてタイタニック号のように国民全体が沈んでいくのか、それとも石橋を叩きながらもチャレンジャーの道を進むのか、今はまさに大きな分かれ道になってきています。是非、ゆとり世代である羽生結弦さんや大谷翔平さんをお手本にがんばって欲しいと思います。
出来うれば「失われた世代」と呼ばれる団塊のジュニア世代が「失ったもの」を埋めるように上下の世代の架け橋となり「日本丸」新たな大海に航海できるようにしたいです。

利府町長 熊谷 大(ゆたか)

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