■「ISO 15189」と“がん診療”
宮城県立がんセンター 臨床検査科 遠宮靖雄
「ISO 15189(アイエスオーイチゴーイチハチキュウ)」を御存知でしょうか?恐らく多くの方々は御存知無いと思われます。「ISO 15189」は臨床検査室の質の保証(品質保証)を国際的な水準で行う際の規格の1つです。本邦では第3者機関である日本適合性認定協会により審査される規格で、オーストラリアやEU(ヨーロッパ連合)の臨床検査室では取得が必須とされているものです。宮城県立がんセンターでも2020年1月に取得しました。
さて、様々な理由で病院を受診すると、検体検査(:血液や喀痰、尿、便、胸水・腹水などの体腔液を調べる検査)、微生物検査(:病気の原因となる微生物がいないかどうかを調べる検査)、生理検査(:心電図、呼吸機能検査、超音波検査など働き具合や形を調べる検査)、病理検査(:顕微鏡を用いて病変部から採取された細胞や組織を調べる検査)、遺伝子検査(:血液や腫瘍組織からDNAやRNAなどの遺伝情報を抽出して行う検査)など多くの検査を必要に応じで受けて頂く事になります。「ISO 15189」を取得する意義については3つの事が主に挙げられています。(1)質の高い信頼できる検査結果を患者さんと主治医に提供できる。(2)誰が、いつ、検査を実施しても適切な結果を提供できる。(3)第3者による客観的な評価を受け、対外的にも信頼される臨床検査室を築くことができる。「ISO 15189」の取得は高度化かつ複雑化した現在の“がん診療”には必須とされつつ有ります。
◇宮城県立がんセンターのホームページ
【HP】https://www.miyagi-pho.jp/mcc/
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