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【特集】悠久の時を超えて 熊野堂神楽

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宮城県名取市

熊野神社、熊野本宮社、熊野那智神社の3つの神社で構成される名取熊野三社。信仰深い名取老女が勧請したとされ、令和5年に勧請900年を迎えます。
熊野ゆかりの神社は全国に3,135社あります。名取熊野三社は勧請にあたり、紀州熊野三山の地形を模したといわれており、同じ地域に熊野三社があるのは全国でも名取だけです。
その名取熊野三社の一つである熊野神社では、古くから熊野堂神楽が継承されてきました。神楽を舞う舞手は従来から世襲とされ、今日も厳格に守られています。
県の無形民俗文化財にも指定されていて、私たちが住む名取市が後世に引き継いでいくべき文化の一つではないでしょうか。今月の広報なとりでは、熊野三社勧請900年にあわせて、熊野堂神楽を掘り下げます。

■900年の歴史を紡ぐ
熊野堂神楽は京都の神楽岡から伝わったといわれていて、県の無形民俗文化財に指定され、拝殿前の池に常設された神楽殿で披露されます。
代々、社家の世襲により受け継がれてきた熊野堂神楽。現在は10人の舞手がいて、神楽を守り続けています。神楽師の小住幸一さんもその一人です。
幼い頃から親が神楽を舞う姿を見て育ったとのことで、自分が神楽の舞手になってからは、強い責任感と郷土の文化に対する誇りを持って神楽を舞います。
「たくさんの人に神楽を見てもらう方が神楽を舞う甲斐があります。ぜひ神楽を見に来てください」と話す小住さん。熊野堂神楽の演目は13番あり、日によって異なる演目を8~9番行います。また、今年の秋の例大祭では、番外編にあたる巫女の舞も披露されました。小住さんは「何の演目が披露されるかは当日にならないとわかりませんが、どの演目も見応えがあります」と話します。

■地域の人と一緒に
「創建900年という節目の年を迎えましたが、地域の皆様には熊野神社をもっと身近な存在になっていただける契機にしたいと思います」。そう話すのは、熊野神社で宮司を務める小野泰治さん。
小野宮司は「熊野神社を後世に残し伝えることが今の時代にいる私たちの使命だと思います。そのためには、多くの人たちの協力が必要です」と話します。
御創建九百年記念大祭が去る10月8日に執り行われ、有志による実行委員会やボランティアの人たちなど多くの人がお祭りを盛り上げました。
小野宮司は神社にとって地域の人たちとの関わりが一番大切なことだと考えます。「神社に宮司がいることで、何かの時には相談事や神社の管理運営のお手伝いなども一緒になってできると思います」と小野宮司は話します。神社と地域が良好な関係を築くことで、地域全体を盛り上げていくことを目指します。
熊野神社を訪れた人から「境内が広くてきれいですね」と言われることが多いとのこと。「これも地域の人たちの協力があってのことです」と小野宮司は笑顔で話します。

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