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【特集】中学生海外派遣事業 Friendship with Canada

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宮城県名取市

■世界に触れる11日間
「次世代を担う青少年を海外に派遣し、国際感覚の豊かな人材を育成すること」を目的に、名取市国際交流実行委員会主導のもと、中学生からなる派遣団をカナダもしくはオーストラリアへ派遣しています。
平成3年度から始まったこの事業を通して、これまで500人以上の中学生がホームステイなどを経験し、海外での生活を体験することにより、グローバルな視点でふるさと名取を見直すきっかけになっています。
世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の影響により、中学生海外派遣事業も令和元年度以降、3年間中止となっていましたが、4年ぶりの実施が決定し、3月29日から4月8日までの11日間、中学1・2年生22人からなる派遣団がカナダを訪問しました。
若い感性を持った中学生たちが臨んだ中学生海外派遣事業でのカナダへの訪問に迫ります。

○4年ぶりの開催 派遣団員たちの日々
4年ぶりに実施された令和4年度中学生海外派遣事業。新型コロナウイルス感染症の影響により、直前まで開催できるかわからず、先行きが見えない中で準備を進めていました。開催が決定したのは12月。実際に派遣される3カ月前のことでした。
派遣団員の定員が22人に対し、募集には65人の応募がありました。倍率約3倍の抽選が行われ、派遣団員が決定されました。
抽選によって選ばれた派遣団員たちは4回の事前研修にてカナダの文化や英会話を学ぶとともに、派遣団員としての心構えを身に付けます。
中学生たちが派遣事業に参加するにあたり、団員それぞれがミッションを決めます。ミッションの内容は派遣先で見て、聞いて、体験して、学びたいこと。団員が決めたミッションは「カナダの有名な食べ物や建物を自分の目で確かめること」や「英語力を高めること」など多岐に渡ります。
事前研修を終えた派遣団員はいよいよカナダへ旅立ちます。11日間の派遣期間、カナダでは、視察や現地中学生との交流、ホームステイなどを通して生活の一端に触れます(詳しくは本紙4ページから5ページ)。
長いようであっという間の派遣を終えた派遣団はおよそ10時間のフライトで帰国の途につきます。
解散場所の名取市役所には夜間に到着。およそ10日ぶりに会う保護者の出迎えに中学生たちは安堵の表情を浮かべます。
その後、派遣団員たちは事後研修を経て、4月23日に帰国報告会を開催。派遣団員たちが派遣事業を通して感じたことや学んだことを会場に来た保護者や観覧者に報告します。

○派遣団員リーダー阿部夏芽さんインタビュー
「カナダに行けることに驚き、心から喜びました」。そう話すのは中学生海外派遣事業でリーダーを務めた阿部夏芽さん。
阿部さんのカナダでのミッションは「ホストファミリーや現地の中学生に日本について知ってもらうこと」「カナダの文化について理解すること」の二つでした。ミッションを達成するために、積極的にコミュニケーションを取ることを意識していたそうです。
「実際に会話をしてみると言葉が出てこなかったり、発音が違っていたり、自分から上手く話すことができず、壁にぶつかることもありました」と振り返ります。ホストマザーが一生懸命に耳を傾けたり、翻訳アプリを使いながら会話をしたことで、無事交流を深めることができたそうです。日本からお土産として持って行ったけん玉を一緒に遊ぶことで、日本の文化をホストファミリーに紹介することができたと話します。
カナダでは、現地ガイドの話を聞く機会があり、カナダ文化への理解を深めることができたとのこと。「カナダは多くの国の人が住んでいて、共生の文化が根付いていると感じました」と阿部さんはカナダ文化の学びを話します。

○将来の夢
物心が付いてから初めて海を渡り、カナダを訪れた阿部さん。学んだことは多く、今後はさらに英語を勉強する必要があると感じたそうです。
「将来は海外の大学に行ったり、留学をしたいです」そう話す阿部さんは夢を実現するために更なる成長を誓います。

■カナダで過ごした日々~中学生たちがカナダで見たものは~
中学生海外派遣事業で訪れたカナダは世界で2番目の国土の面積を誇ります。約1千万平方キロメートルと、日本の約45倍の広さ。自然大国として有名で、果てなく続く森林や冠雪をたたえる峰々に目を奪われます。
派遣団員の目的地はカナダ西岸にあるスークという浜辺のまち。人口は約1万3千人の閑静なまちで、名取市とは20年以上にわたり、相互交流をしています。今回、一行はスークに加え、ブリティッシュコロンビア州最大の都市バンクーバーや自然豊かなナナイモでカナダでの生活を体験しました。

11日間に渡る派遣事業に参加した団員たち。
団員たちはホームステイをはじめ、さまざまな経験を重ねました。英語での会話に悩みながらも、カナダの地でどんどん成長していき、自分の殻を破っていく姿を垣間見ることができました。
ある団員がバンクーバーを散策中に近くを歩く男性に勇気を出して道を尋ねてみたところ、とても丁寧に対応してくれたとのこと。「なんとなく海外の人は怖そうと思っていましたが、固定観念が取り払われました」と話します。
将来の夢や目標に影響を与えられた団員も多く、「将来はグローバルな職業に就き、海外に関わる仕事がしたい」という声も聞かれました。
滞在中、団員たちはホームステイで、街角で、日本との違いに数多く触れました。海外が身近になった現代社会。国境を越えて、人と人はつながりあえることを学ぶことができたことでしょう。

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