■下肢静脈瘤第2の国民病
なとり皮膚科くまのどう内科下肢静脈瘤クリニック 岩間 英明
下肢静脈瘤は、30歳以上に発症し、年齢とともに増加していきます。70歳以上では75%もの人に認められるといわれており、患者数は1,000万人以上とする報告もあります。国民病といわれる花粉症の患者数が約3,000万人ですので、第2の国民病ともいえるかもしれません。女性に多く、複数回の出産を経験した女性、両親とも下肢静脈瘤の人、長時間の立ち仕事をしている人、体重が重い人に多く見られます。
足のむくみ、ふくらはぎがだるい・重苦しい、足がつる、足のしびれ・冷感、足のかゆみ・湿疹、悪化すると足の黒ずみ、足の皮膚がかたくなって穴があく、などの症状があります。
検査は負担の少ない超音波検査が主流です。自覚症状があって、超音波検査で静脈血の逆流があれば治療対応になります。
治療は圧迫療法と外科的治療があります。圧迫療法は弾性ストッキングの着用です。常時継続して着用することが理想ですが、現実的に長期継続することは大変です。外科的治療は、近年は低侵襲で負担の少ないカテーテル治療が主流となっております。局所麻酔のため施術時間も短く、日帰りで治療できます。
下肢静脈瘤はゆるやかに進行し続ける病気です。進行してしまってからだと負担の少ないカテーテル治療ができなくなったり、治療しても完全には症状がなくならなくなってしまいます。気になった段階で専門医を受診することが大切です。
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