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特集1 奥の細道と多賀城×ことばのシンポジウム-つなぐ、つなげる、ことばのチカラ 俳句編-

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宮城県多賀城市

〈多賀城創建1300年記念 奥の細道サミットin多賀城記念事業〉

10月7日(土)15時15分
文化センター大ホール(入場無料)
講演:高野ムツオ
パネラー:西村和子、髙柳克弘、渡辺誠一郎、田原(でんげん)

■奥の細道と多賀城
本市は、日本三大史跡のひとつに数えられ、市名の由来となった「多賀城跡」がある歴史のまちです。また、「壺碑」「末の松山」「沖の井(興井)」など、歌枕が集中している全国的にも稀にみる地域です。
江戸時代、奥の細道で松尾芭蕉が壺碑を訪れた際には、千年前と変わらない様子を見て感動し、芭蕉の俳諧の理念「不易流行(ふきりゅうこう)」が生まれる端緒になったともいわれています。
このように本市は、奥の細道と深い関わりがあることから、「奥の細道」を通して郷土の歴史・文化の認識と活用を深め、地域の活性化に結びつく活動として、全国約40団体が加盟する「奥の細道サミット」に加盟しており、令和5年度は、本市で開催されることになっています。

■多賀城創建1300年×ことば×俳句
壺碑に刻まれた「ことば」から多賀城創建の時期(西暦724年)は明らかになり、また、歌枕として詠まれ継がれてきました。芭蕉は多賀城を訪れ、その感動を紀行文『おくのほそ道』という「ことば」に残しました。
このようなことから、多賀城の歴史や文化は「ことば」によって今日の財産になっていることが分かります。
そこで本市が開催する奥の細道サミットでは、創建1300年を契機とした、さまざまな「ことば」をテーマとしたアートプロジェクトの第一弾として、シンポジウムを開催する予定です。
シンポジウム当日は、多賀城市在住の俳人高野ムツオ氏の講演のほか、若者による俳句制作の成果発表、俳句界で活躍する方々によるパネルディスカッションを行う予定です。この機会に多賀城の「ことば」に触れてみませんか。
多賀城碑(壺碑):多賀城碑は日本三古碑の一つと数えられており、江戸時代初めに発見されると「壺碑」と呼ばれ、松尾芭蕉は碑と対面した感動を『おくのほそ道』に書き残しています。

■高野氏に聞く「ことばのチカラ」
多賀城市在住 俳人 高野ムツオ氏
プロフィール:1947年生まれ。多賀城市在住。日本現代詩歌文学館館長。俳人。俳誌「小熊座」主宰。読売文学賞、蛇笏賞受賞など

□―俳句との出会いを教えてください
父が俳句に親しんでいたこと。また、小学4年10歳の折、地元の寺の句会でたまたま投句した句が、阿部みどり女先生の目に留まって褒めて貰ったことですね。

□―俳句のどのようなところに魅力や面白さなどを感じていますか
たくさんありますが、たった十七音しかないのに、実に多様な世界を表現できることでしょうか。歳を重ねるごとに、その世界が深くなります。

□―「ことば」には人を元気づけたり、感動を与えたり、新たな行動を促すチカラがあると思います。こうした「ことば」のチカラを実感した経験や体験について教えてください
たくさんありますが、その一つ、俳句の師である金子兜太が私の大学卒業にあたって「ひとこと」という文章で「表現というものは自信である。おのれの無知をおそれず、おのれの実感や体験を信ずることである。間違いをおそれず、間違いを間違いのままに曝けだすことの意義を信ずることである」と書いて励ましてくれたことがうれしかった。もう一つは、もう一人の師、佐藤鬼房が亡くなる直前まで俳句を作り続け、なお「群想」が湧き上がると語っていたこと。「群想」は造語でしょうが、「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」という芭蕉に通じますね。

□―芭蕉も訪れ奥の細道にも登場する「多賀城」や「壺碑」。これら本市を代表する歴史遺産はご自身にとってどのような存在ですか
市民共有のかけがえない文化遺産ということですね。碑面の文言の内容よりも、ことばが刻まれ残っていることの意義が大きい。「ことば」とは何か、1300年の時を超えて語りかけてくる。

□―最後になりますが、現在の多賀城はどのような街だと思われますか。また、多賀城創建1300年を迎える本市に一言をお願いします
多賀城市はのんびりした、とても住み良い街です。自然が豊かで、海にも近い。古い歴史と文化にも恵まれた田園都市です。開発も大切ですが、コミュニティを大切にして、若者にとってより魅力溢れる街にしてほしいと思います。理想を言えば、どこにいても音楽や美術や文学に触れることができる街です。ことばはそのための最強のアイテムです。

■当日のスケジュール
日時:10月7日(土)15時15分(開場14時45分)
場所:文化センター大ホール
費用:無料(申込不要)
内容:「若者による俳句制作の成果発表」、「高野ムツオ氏の講演」、「西村和子氏、髙柳克弘氏、渡辺誠一郎氏、田原(でんげん)氏によるパネルディスカッション」
*同日10時から文化センター小ホールで「第三十回壺の碑全国俳句大会」も開催されます。

□関連イベント(「壺の碑」×俳句のワークショップ)
10代〜20代の人を対象に、芭蕉がその存在に涙するほど感動した「壺の碑」をめぐり、若者の感性を込めた俳句づくりワークショップを開催します。
詳しくは本紙3面のQRコードからアクセスして確認してください。

問合せ:市民文化創造課交流観光係

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