明けましておめでとうございます。
市民の皆様とともに穏やかな新春を迎えられますことに、心から感謝しております。
4年ぶりに行動制限のない新年を迎え、何気ない日常がこんなにも有り難く尊いものであることをかみしめている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。このような困難な日々の経験は、忘れずに今後に生かすことがとても大切であると感じます。東日本大震災の経験を踏まえて見直した地域防災計画も、実践する我々が、その経験を忘れることなく礎として、理解を深めることによってこそ守られる命があるのです。皆で乗り越えた幾つもの困難を明日に生かし、多賀城市をますます発展させるべく努力を重ねてまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、本年は多賀城創建1300年本番の年であります。この年の楽しみ方やお祝いの方法はさまざまあると思いますが、市民の皆様にも、記念すべき年におけるまちづくりへの取り組みに参加していただきたいと思っています。各種記念事業に参加して楽しむもよし、サポーターとして運営に携わるのも、記念すべき年に特別な思い出が残せる面白い関わり方かもしれません。多賀城の歴史を改めて学ぶ機会とすることで宮城、東北、日本の歴史を深堀りできる機会になると思います。一緒にまちづくりをはじめてみませんか。記念すべき令和6年が皆様にとりまして『創(はじ)め』の年となることを心より願っています。
第六次多賀城市総合計画がスタートして4年目となり、計画に掲げる将来都市像「日々のよろこびふくらむまち史都多賀城」の実現のため、さまざまな取り組みを推進しております。コロナ禍の影響などにより思うようにいかないこともありましたが、概ね順調に進められていることは、ひとえに市民の皆様のご協力の賜物であり、心より感謝を申し上げます。
現在、急激に進行している少子高齢化を不安にに思う方も多くいらっしゃるかと思いますが、人口減少を憂うのではなく、受け入れることから始めることが大切だと考えています。その中で、日々生じる課題に対してどのような対策を打つべきなのか難しい判断を迫られる毎日ですが、社会経済が縮小したとしても市民の皆様の暮らしの充実と質的向上を目指す「縮充」の理念のもと、市民の皆様の代表で構成される市議会の理解を得ながら、今後も着実に計画を推進してまいります。
また、東北学院大学工学部の跡地については、市の中心部にあるまちづくりに重要な土地ですので、土地を購入されたミサワホーム株式会社様および東北ミサワホーム株式会社様による開発に協力していくと同時に、市にとってもより良い形となるよう、お互いに協働で進めていきたいとの思いから、連携協定を締結させていただきました。民間事業者ならではの柔軟さと発想、スピード感を見守りつつも、議論すべきところはしっかり議論しながら素晴らしい地域となるよう取り組んでまいります。
今振り返りますと、私のまちづくりに対する想いは、青年会議所の活動に携わったことで高まったものであると思います。その中で学んだこの言葉を、私はいつも拠り所としています。「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える。」中国の哲学者であった老子の言葉ですが、飢えている人がいるときに、魚を与えれば1日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける、与える者が居なくとも自立出来る人(心)を育てよ、という考え方です。
まちづくりとはまさにこの人づくりであり、どの世代も互いにできることを協力し合い、笑顔で生活できる、住んでよかったと実感していただける環境を創っていきたいと思います。時に厳しいと言われる施策展開も、未来を思い量っての判断だとご理解いただけるよう、謙虚に邁(まい)進します。
結びに、市民の皆様にとりまして、この1年が幸福に満ちたものとなりますことを心より祈念しております。
多賀城市長
深谷 晃祐
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