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〈歴史の風〉国守館(くにのかみのたち)と題箋軸木簡(だいせんじくもっかん)

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宮城県多賀城市

西暦724年に造られた多賀城は、令和6(2024)年に創建1300年を迎えました。

※画像は本紙又はHPでご覧ください。

■陸奥守の邸宅(国守館)跡推定図 (山王遺跡千刈田地区)
JR陸前山王駅の正面に、陸奥守(むつのかみ)*の邸宅跡があります。平成2年からの発掘調査によって、大規模な建物や大型の井戸をはじめ、高級な陶磁器などが大量に見つかりました。国守館の発見は全国で初めてのことでした。
*陸奥国を治めた国府の長官

■陸奥守の邸宅イメージ図 (早川和子氏画)

■題箋軸木簡
「右大臣殿餞馬収文(せんばしゅうもん)」と記された木簡も発見されました。これは按察使(あぜち)*が右大臣に昇進した際に、陸奥守が餞別(せんべつ)として名馬を贈った時の領収書をつづっていた軸の見出し部分です。この木簡が、遺構が国守館であるという手がかりになりました。
*陸奥国と出羽国の行政を監督する役職

■題箋軸の使用方法
題箋軸とは、見出し(題箋)部分を外側に作り出した巻物の軸です。

■年中行事絵巻 (東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)
東北地方は優れた馬の産地でした。東北産の馬がたいへん貴重なものとして取り扱われていたため、陸奥守は右大臣へ名馬を贈ったのでしょう。

*多賀城創建1300年に向け「歴史の風」を拡大し、「歴史の風 創建1300年Special」をお届けします。(令和6年1月号から令和7年1月号までを予定)

問合せ:埋蔵文化財調査センター
【電話】368-0134

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