■『新(あらた)しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)』
新春を迎え、降り積もり重なる雪のように皆様にも幸せが続きますように……
皆様あけましておめでとうございます。
市民の皆様と共に『賀(よろこ)び多き城』多賀城にて新年を迎えた今、感謝の気持ちと同じくらい責任の重さを感じております。その重責を力に変え、日々邁進してまいりますので、皆様におかれましても、今年一年もそれぞれの立場で多賀城市のまちづくりに関心を寄せていただければ幸いです。
さて、昨年は、多賀城創建1300年の記念すべき一年を多くの方からお力添えを賜ることで成功裏に終えることができました。多賀城を連綿と紡いできた先達に加え、記念事業にさまざまな形で関わっていただいた市民や各種団体の皆様、多賀城創建1300年記念事業実行委員会名誉会長を務めていただいた村井嘉浩宮城県知事、塩釡市、東松島市、七ケ浜町、利府町、松島町などの県内自治体はもとより、太宰府市、天童市、奈良市を始めとする全国の関係自治体の皆様など、すべての方々へ改めて感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
また、全国規模の会議や修学旅行の誘致に加えて、各種旅行会社による訪問ツアーの実施、市民団体によるイベント開催などにより、現在、多くの観光客の皆様に本市へ足を運んでいただいております。文化観光元年と位置付けた多賀城創建1300年の節目の年の盛り上がりを一過性のものとはしないよう、昨年8月に指定を受けた多賀城碑の国宝昇格に加えて、これから、外郭南門の復元や多賀城跡ガイダンス施設の開設、県内初となるパークPFIによるスケートパークを備えた公園の開園など、魅力的なコンテンツを増やし、より多くの皆様に本市に来訪していただけることを思い描いております。国府として栄えた多賀城が今まさに文化、交流の拠点として蘇り再興すべく動き始めました。この機を逃すことなく観光行政をさらに前進させますので、産学官民の力を合わせて取り組んでまいりましょう。そして、私も含めた市民の一人ひとりが来訪者をおもてなしの心でお迎えすることで、多賀城ファンを一緒に増やしてまいりましょう。
いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも新しい変化を重ねているものも取り入れていくこと。これは、松尾芭蕉の俳諧理念の一つ『不易流行』の解釈の一つですが、まちづくりの行政理念と合致する考え方だと捉えています。我々の祖先はいつの時代も助け合い、協力し合う『結の心』でさまざまな災難を乗り越え時代を紡いでこられました。私たちも、『利他と結の心』があれば、どんな困難も乗り越えられると確信しています。失敗は成功の糧、正解し続けるまで突き進めば失敗ではなく検証の積み重ねだったと言うことができます。私も、何ものも恐れずにチャレンジし続ける事をお約束します。独断ではなく、常に市民の皆様との対話を大切にしながら、人口減少や超高齢化社会を憂えるのではなく受容し、笑顔あふれる多賀城を築く為に努力し続けます。どうか皆様のご協力を心からお願いいたします。最後に、皆様と共有したい想いを記します。
『当たり前』の対義語は『ありがたい』です。そんな気持ちを大切にし、目の前のささいなことに対しても感謝しながら心穏やかにお過ごしいただき、本年が市民の皆様にとりまして幸多き一年となりますことを、心よりお祈り申し上げます。
多賀城市長 深谷晃祐
((2)に続く)
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