((3)の続き)
■所信表明
□重点政策5〜時代の変化に則した行政サービス〜
人口減少が進む社会において、ICT技術は、社会課題の解決や経済の発展など、さまざまな分野で必要不可欠なものであり、市民生活の利便向上と行政事務の効率化を図り、質の高い行政サービスを持続させるためにも、ICT技術の積極的な導入・活用を進めてまいります。
本市では、住民の移動率が県内でも非常に高く、その手続きのために多くの市民が市役所の窓口にお越しになって、順番待ちをされている光景をよく目にします。そうした現状を改善し市民サービスの利便を向上させるため、これまでに証明書類のコンビニエンスストア交付や公開型GISなどの整備により、市役所に「行かない行政」、また、多賀城市公式LINEにおいてさまざまな申請・申し込みをすることで「書かない行政」、これにより必然的に市役所にお越しになる機会が減ることで「待たない行政」の取り組みを進めているところですが、今後より一層の利便向上の取り組みを深化させてまいります。
一方で、市役所で働く職員の時間外勤務を削減し業務を効率化することによって、働き方改革の推進にも繋げるため、市役所の開庁時間の短縮を先ずは試験的に導入し、職員の働く環境の改善とより質の高い行政サービスの向上との共存共栄の実証を行ってまいります。
持続可能な行財政経営を運営していくために今年3月に改訂した「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設の縮充を目指す上で、行政コストを抑えながらも、公共サービスの充実を図ってまいります。
また、社会情勢の変化を捉え、時代に則した行政サービスを提供するため、社会変革の潮流の速さに、行政活動を順応させるとともに、将来都市像「日々のよろこびふくらむまち史都多賀城」の実現に向け、限りある経営資源や財源を、重点化することによって事業効果を最大限に高めてまいります。一方で事業の成果を検証しながら、または、社会状況の変化に合わせて見直しや改善を全ての事業を対象として不断に進めてまいります。そのためには、議員各位や市民からの先進的かつ斬新な事業見直しの提案をいつでもお待ちしておりますので、ぜひ共に行政改革に取り組んでまいりましょう。
さらに2市3町における広域連携を観光、防災、地域医療の分野において強化するほか、産学官連携の充実を図り、住民福祉の向上を図ってまいります。その際、現下の課題解決に必要な事業への財政支出は惜しむことなく、一方で、各種政策の成果を見極め、選択と集中を図り、次世代に過度な負担を残すことのないよう行政のスリム化や財源確保を実現してまいります。
□重点政策6〜多賀城の未来を担う子ども達の「子育ち力」を育む〜
少子化による人口減少は、喫緊の課題であり、これまでもその克服のために子育て世代が子育てしやすい仕組みを充実させ、次の世代である若者が安心して住み、子育てしやすい環境が整っていると感じられるような子育て支援に全力を挙げてきました。
今後は、子育て・子育ち支援をより一層推進していくために、次の視点を重視し、子育て・子育ち関係事業のアップデートを図ってまいります。
一つ目には、子育て支援にあっては保護者自身の「子育て力(りょく)」を最大限引き出すこと、二つ目には、子育ち支援にあっては子ども自身がすでに持っている「育つ力チカラ」を最大限に引き出すことを目指し地域と家庭が一緒になって取り組むことを推進してまいります。
また近年は、子ども達の環境変化に合わせた多様な居場所が求められており、家庭と学校以外の「第三の居場所」としてサードプレイスの設置について官民連携のもと進めてまいります。
子ども達には無限の可能性があります。
子ども達が自らの力によって将来の夢を実現できるよう市民全員が全力で応援できる環境づくりに力を尽くします。
私が1期目の公約によって開催してきた「多賀城若者会議」は、今年の3月末で一旦終了させたところですが、その後この会議に参加してくれた若者自身が自主的に運営を続けてくれています。若者の力は無限大です。
私はこうした若者が、まちづくりの主体となり議論できる場を今後も持ち続けられるように力を尽くしてまいります。加えて、若者の豊かな感性を育むことによって多賀城の未来を彩る、若きアーティストの育成にも取り組んでまいります。
以上が私の2期目となる4年間の政策の大きな枠組みであります。
私は、この度の市長選挙は、私の公約に掲げた政策への強い期待が民意に反映された結果と捉えています。
多賀城創建1300年という日本の歴史にも刻まれるこの記念すべき年に、市長を務めさせていただいた私の役目は、次の千年先に向けて、多くの喜びと幸せを連綿と繋げていくことと思っています。そのためには、このまちで生まれ、このまちで暮らしている皆さんが、自分たちばかりでなく、子どもたちや孫たちまでもが、「この多賀城で暮らし続けていきたい」と思えるまちを創っていくということが何より大切なことであり、それを実現することが私に課せられた重大な使命であるとの想いを強く持ちます。
今、人口減少が進むこの社会で求められているのは個人の価値観の多様化です。そうした中、子どもから高齢者まで、性別や世代を問わず、全ての市民が多様な価値観の下で、個性を生かし、共に生きることのできる社会の実現は、人口減少を憂いていたのでは決して叶うことはありません。むしろ、人口減少を変革へのチャンスと捉え、希望と誇りを持って暮らすことのできる未来を、市民一人ひとりの手で切り拓いていくという強い思いがなければ困難です。私は私自身がその先頭に立って、聖域なく取り組む所存です。どうかこれまで以上に、皆様には格別な御指導御鞭撻をお願い申し上げ、私の市長2期目の所信表明といたします。
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