■蔵庫の宝物 職員のイチオシ資料紹介
□源姓最上天童氏系図
仙台藩の重臣、天童(てんどう)家に伝わる系図です。表紙は牡丹唐草模様の布で飾られ、濃い紫色の紐が格式の高さを感じさせます。軸頭には水晶があしらわれ、見返しに金箔、横界線に金泥を用いるなど、装飾性の高い仕様になっています。
天童氏は、現在の山形県天童市にあった天童城の城主でしたが、最上(もがみ)氏との戦に敗れて天正12(1584)年に宮城郡に逃れてきました。のちに仙台藩初代藩主伊達政宗に召し抱えられ、準一家の家格を与えられて八幡村に屋敷を構えました。
系図は、第56代清和(せいわ)天皇から始まり、天童氏が足利(あしかが)氏、斯波(しば)氏に連なる由緒正しい清和源氏の家であることを示しています。
この系図を含め、天童家に伝わる文書群は本市に寄贈され、「天童家文書」として平成22年に市指定文化財に登録されています(平成29年追加指定)。
本市の近世から現代までの歴史を語る上で、なくてはならない天童家の威光がうかがえる貴重な資料です。
*紹介した資料は、2月末まで埋蔵文化財調査センター展示室で見ることができます。
問合せ:埋蔵文化財調査センター
【電話】368-0134
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