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新春対談

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宮城県大崎市

大崎市古川地域出身でボクシング5階級制覇を果たした、おおさき宝大使の藤岡奈穂子さんと伊藤市長が、大崎市との絆や夢について、語り合いました。

■現役生活を振り返って
市長 新しい年を迎えましたが、藤岡さんは、昨年にボクシング選手としての現役生活を終えましたね。24年も続けるとは、思いませんでしたか。
藤岡 思いませんでしたね。
市長 24年間頑張れたのはどうしてですか。
藤岡 元々、プロになるつもりはなかったのですが、上京して頑張ってやっていたらチャンピオンになることができて、だんだん東京に住んでいる宮城県出身の方たちに知ってもらえるようになりました。そこから応援の輪が広がっていき、ボクシングを通じてたくさんの方たちと出会って、応援していただいて、それで続けることができたのかなというのはありますね。
毎回、試合のたびに市長も応援に来てくださったり、とても力になりました。
市長 アマチュアからプロへの転向はかなりの決断だったと思いますが、迷いはありませんでしたか。
藤岡 どうなるか分からないプロの世界に行くのは自分も不安でしたし、親も大反対でした。
当時、プロテストを受験できるのは32歳まででした。私は既に33歳でしたが、過去の戦績から特例でプロになれるチャンスを一度与えられました。やらなかったら後悔するのではないかと思い、チャレンジしたのが良かったです。
市長 プロ転向後は、トントン拍子で、試合に出場すれば勝ちましたよね。一つのタイトルを取るだけでも大変でしょうけれども、5階級制覇まで達成できたのは、よほどの精神力や過酷なトレーニング、健康管理が伴ったと思いますが。
藤岡 当時、女子のプロボクシングは立ち上がったばかりでした。選手も少なく、対戦相手を探すのが大変でしたが、常に試行錯誤というか、この階級で戦って、というのを模索していました。
ボクシングそのものが好きで、もちろん試合のためにトレーニングも積んでいくんですけれど、自分の伸びしろを埋めていく作業が好きだったので、あんまり苦しいという気持ちはなかったですね。
市長 平成23年の東日本大震災の年に、タイトルマッチで初の世界タイトルを獲得しましたよね。震災で皆さんの心が折れそうになったときに、タイトルを獲得して、ベルトを持って凱旋(がいせん)していただきました。慰問に訪れ、炊き出しなどにも参加していただき、皆さんに元気や勇気、夢を与えていただきました。
また、平成24年12月には、タイトルマッチを地元の大崎市でやっていただきました。市民の皆さんもなかなか生でボクシングを見る機会がなかったでしょうから、藤岡さんの雄姿を見ることができて、ボクシングにも親近感を持ったと思います。
藤岡 そういう機会をつくっていただいてありがたかったですね。
そもそも、世界チャンピオンになりたいとあんまり強く思っていなかったのですが、そのようなさなかに震災が起きて、皆さんが大変なときに自分ももうボクシングを辞めようかなと思ったこともありました。「今は藤岡さんの試合しか楽しみがないから頑張って」という声を聞いて、初めて世界チャンピオンになりたいと強く思いました。試合では、チャンピオンから2回ダウンを取ることができて、神がかり的な感じというか、不思議な感覚の試合でした。
やっぱり世界チャンピオンになるというのはすごい意味があるんだなって思いましたね。地元の皆さんの前で最高の試合ができて良かったです。

■これからの歩み・子どもたちへ送るアドバイス
市長 プロボクシングからの卒業ということですが、人生ではまだまだ半分です。次のステージではどのようなことを計画していますか。
藤岡 既に始めているボクシングのパーソナルトレーナーとしての活動をもっと大きくしていきたいですね。
あとは、ミットを持って世界中を回って、子どもたちだったり、女性たちがボクシングをする場を作っていろいろな人に教えてみたいです。いずれは地元の大崎で、子どもたち向けのイベントだったりそういう場所を作っていきたいですね。自分で大会も作ってみたいです。
市長 大崎の子どもたちに託したい夢はありますか。
藤岡 現代の子どもたちは、大人といいますか、おとなしい印象があるので、もっと自分の殻を破って、好きなことを追及してほしいですね。大崎を出たからこそ大崎の良さが再確認できたので、東京でも海外でもいいので、一度外に出て、いろいろなものを見て、また大崎市を見てほしいと思います。

■大崎市との絆
市長 「おおさき宝大使」として、故郷・大崎市の印象はどうですか。エールを送りたいことはありますか。
藤岡 世界農業遺産に認定されていますし、大崎の田んぼは誇りですよね。大崎に帰ってきて田んぼを見ると心が落ち着きますし、安心します。
食べ物もすごくおいしいので、テレビなどでも放送されるようになってきましたが、たくさんの人に知ってほしいですね。
おおさき宝大使の我々も含めて、機会があるたびに特産品を持ってPRしたいですね。ぜひ、JR陸羽東線にも頑張っていただきたいです。
市長 陸羽東線を残すべく、危機感を持ってさまざまな取り組みを行っているところです。

■令和6年の目標
市長 最後に今年の目標をお聞かせください。
藤岡 今、ウクライナやパレスチナ自治区、他の地域でも悲惨なことが起きて大変ですが、女性のボクシングジムがあるようなので、落ち着いたらそういう場所にも行ってみたいですね。
市長 子どもたちが夢を持ってスポーツができる環境を作っていかなければなりませんよね。
昨年五月、市役所の新庁舎が完成しました。今年は駐車場が整備され、たくさんの方々をお迎えできるようになります。藤岡さんがこれからますます羽ばたくように、私たちも大崎市を世界に、全国に発信していきたいと思います。

■藤岡奈穂子さんに特別感謝状が贈呈されました
令和5年11月23日、伊藤市長から藤岡奈穂子さんに特別感謝状が贈呈されました。
世界5階級制覇を果たし、プロボクシングの第一線で活躍しながら、青少年の健全育成や本市のPR活動などの社会貢献活動に取り組んだ功績は、市民に勇気と感動を与えました。藤岡さん、24年間お疲れ様でした。

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