「地域包括ケアシステム」とは、高齢者が住み慣れた地域で、可能な限り自分らしい生活を人生の最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援の各分野が互いに連携し、地域の実情に合わせて切れ目なく一体的にサポートする仕組みです。
■進む高齢化
本市の高齢化率は、令和元年には29・6パーセント、令和5年には31・8パーセントとなり増加傾向にあります(グラフ参照)。県の高齢化率は令和5年度末時点で29・5パーセントであり、県と比較すると本市の高齢化率は高く、高齢化が進行しています。今後さらに高齢化が進む見込みです。
■求められる地域での見守り、支え合い
高齢化の進行により、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯、老老介護世帯などが増加し、買い物やごみ出しなどの日常生活に不安や困難を感じる人も増えています。
また、近所付き合いの希薄化から、社会からの孤立や、孤独死などの問題が生じることが懸念されます。今後、地域で見守り、支え合う仕組みがさらに必要となっています。
そこで、市では関係機関との連携を深めた「大崎市流地域包括ケアシステム」の構築を進めています。
■大崎市流地域包括ケアシステムとは
「自立支援」「健康づくり」「地域づくり」の3つを柱とし、「介護予防」「医療と介護の連携」「地域を支える仕組みづくり」に注力している点が、「大崎市流」です。地域にある資源や既存の取り組みを生かしながら、さまざまな機関の協働により、医療・介護・地域が一体となって皆さんの暮らしを支援します。
■地域に合った支え合いの仕組みづくりに向けて
市では、地域住民が主体となった生活支援・介護予防サービスの充実を目指し、「生活支援体制整備事業」を実施しています。高齢者が住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けられるよう、地域住民や関係団体と連携しながら、介護予防や居場所づくりのための取り組み、生活支援サービスを推進します。
■支え合いの仕組みづくりのキーパーソン生活支援コーディネーター
生活支援コーディネーターは、地域の実情に合わせて、「地域の支え合いの仕組み」をつくるための支援をしています。それぞれの地域に出向き、すでに地域で行っているお茶飲み会やサロン活動などを把握しながら、地域の課題について地域住民と共に考え、話し合いの場を通じて、支え合い活動のある地域づくりを進めていきます。
■住民と地域のつながりをつくる 生活支援コーディネーター(SC)
地域に出向き、支え合いの仕組みづくりや課題解決に向けて活動する生活支援コーディネーターに話を聞きました。
▽伊藤義智(よしとも) 生活支援コーディネーター(古川地域清滝地区)
SCとして、約8年活動しています。主に、古川地域清滝地区全行政区で開催している「お茶飲み会」の支援をしており、住民同士が楽しく交流できる居場所づくりに取り組んでいます。常に素直な気持ちで接しながら、何気ない会話から話ができる雰囲気づくりを心がけています。
活動に参加した人が笑顔で帰っていく姿を見ると、うれしくなり、自身の活動の励みにもなります。これからも、参加した人に「また集まりたい」と思ってもらえるような居場所づくりを支援していきたいです。
▽大崎市社会福祉協議会西部圏域
菊地冬花(とうか) 生活支援コーディネーター(岩出山地域)、
瀨野尾翔汰(せのおしょうた) 生活支援コーディネーター(鳴子温泉地域)
4月から市の生活支援体制整備事業の業務を受託し、SCとしてそれぞれ岩出山地域と鳴子温泉地域で活動しています。
まずは地域の皆さんに顔を覚えてもらうことからと、明るい笑顔を意識して、積極的に「お茶っこ会」やサロン活動に出向き、半年が経ちました。地域の皆さんに温かく迎え入れてもらえたことや頼ってもらえたことが、地域とのつながりが形成されてきたと、やりがいが感じられるうれしい瞬間でした。
今後も生活支援体制整備事業のPRを行いながら、地域に既存する「宝さがし」を行い、資源を生かした取り組みをうまくコーディネートし、地域の支え合いの仕組みづくりを支援していきたいです。
■生活支援コーディネーターの役割
▽居場所づくり
サロン活動や介護予防体操など趣味や関心に合わせて地域の皆さんが気軽に集える居場所づくりを支援します。
▽見守り活動
日々の暮らしの中で、地域でさりげない見守り・声がけをすることにより、信頼関係が生まれ困りごとに気付くことができます。
▽話し合いの場づくり
情報交換や解決するための話し合いができる場づくりや地域での支え合いの仕組みを考えていきます。
▽ちょっとした困りごとの解決
ごみ出しや電球交換など、ちょっとした困りごとを近所の人同士で解決できる仕組みづくりを支援します。
今まで取り組んできた活動に、「介護予防」「地域づくり」の視点をプラス!
問合せ:社会福祉課地域共生社会担当
【電話】23-6012
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