◆人口減少は この国の 国全体の問題
◇平成11年が最多
左のページの上のグラフ。川崎町の42年間の人口の推移です。人口は平成11年を最多に24年間で約3000人減少しています。
左のページの下のグラフを見てください。川崎町で1年間に生まれる人と亡くなる人の数の推移です。
※グラフは下部をご覧ください。
◇子供人口 43年連続減
42年前、昭和57年に生まれた赤ちゃんは、205人。10年後の平成4年は100人。この10年で出生数は半分になり、その後、少しずつ出生数は減少していきました。
これは、川崎町だけに限らず、この国の現状です。子供人口、43年連続減として報道されています。
子供の人口とは、15歳未満が対象となりますが、43年前、この国の子供人口は約2800万人、総人口に占める割合は、25%でした。今年は1401万人、総人口に占める割合は11・3%と過去最低です。
◇世界的に見ても
人口4000万人以上の37カ国で総人口に占める子供の割合は、日本が韓国に次いで低く、年齢が低いほど数も少ない傾向が続いています。
この国の人口減少の予兆は、すでに50年前から始まっていたのです。
◇延びる平均寿命
それでは、なぜ、川崎町の人口の最多が平成11年、今から25年前なのでしょうか。
それは、平均寿命が伸びたからにほかなりません。私が生まれた昭和30年代の初め、日本人の平均寿命は、男性が64歳、女性が67歳でした。やがて、34年前の平成元年になると、男性は76歳、女性は82歳。35年かけて平均寿命は、男性が12年、女性が15年延びたことになります。
川崎町が最多の人口となった平成11年、日本の平均寿命は、男性が77歳、女性は84歳になっています。
◇川崎町の出生者数と死亡者数
再び、左のページ下のグラフを見てください。
昭和58年から平成14年までの20年間、死亡者数は、100人を上回ることは稀(まれ)でした。しかし、平成15年を過ぎると120人台、平成23年の170人を最多に、ここ数年140人台を行き来しています。
昭和50年代後半から平成11年までは、生まれてくる赤ちゃんは減少していても、町民は少しずつ長生きになって、人口は変動していないように見えていました。ちなみに日本の人口のピークは、平成20年となります。
◇人口減少対策
思えば、私は13年前、町長に就任した時から、2期8年間、給料を30%カットしながら子育て支援の政策を進めてまいりました。現在、川崎町は県内でもトップクラスの子育て支援の町となっています。
また、11年前に始めた空き家バンク制度や婚活事業等、数々の人口減少対策を取ってきたことは事実です。
◇国全体の問題
しかし、全国的に人口減少が進むなか、市町村は子育て支援の競争と移住者の奪い合いを繰り返すことになってしまいました。
50年前、婚姻件数は年間110万組。昨年は49万組。50年前、生まれた赤ちゃんは193万人。昨年は76万人。50年で婚姻数は45%、出生数は39%と低下することに。
非正規雇用者が働き手の4割を占め、平均賃金は27年前から上がっていません。結婚できない若者が多いのです。人口減少の原因が、市町村にあるかのような発表・報道には多くの市町村長が異を唱えています。
人口減少は、国全体の問題にほかなりません。最大の問題なのです。
令和6年11月1日
川崎町長 小山 修作
<この記事についてアンケートにご協力ください。>