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自治体の皆さまへ

町長がゆく

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宮城県川崎町

◆人口減少を逆手にとって
1月10日、山村開発センターにおいて4年ぶりに「新年あいさつ会」を開催しました。137人に出席いただき、親睦を深めたところです。

◇震災とコロナ禍
新しい年が始まりました。しかし、コロナ禍を乗り越え、やっと親戚や家族が集まることができた元日に能登半島で大きな地震が発生。
誰もが、13年前のあの日を思い出したのではないでしょうか。不気味に響く緊急地震速報、激しい揺れ、停電、断水、寒さ、ガソリンや灯油の不足、終わりなく続く余震…。
そして、復旧工事を妨げる人手不足と資材の高騰。私が町長に就任したのは震災から5カ月後。すべての復旧工事を完了するまでに就任から2年の月日が流れていました。工事に要した費用は、10億7500万円。
また、この4年間のコロナ対策には、21億円以上を投入し、112の政策を実施しました。町民1人あたりに換算しますと25万8800円を要したことになります。

◇町の財産を有効に
さて、これから始まる能登半島地震の復興は、とても重要なことですが、同時に、この国の課題は人口減少。世界の人口は現在80億人。26年後の2050年は97億人になる推計ですが、日本は現在より25%減少するとの予想です。宮城県も230万人から183万人に。丸森町、南三陸町、七ヶ宿町、女川町は、人口が半分以下になるというのです。東京都以外、すべての道府県が例外ではありません。
改めて、私たちは、これまで以上に人口減少を意識してまちづくりを進めていかねばなりません。これまで以上に外国から来る人たちと仲良くすることはもちろんですが、町の財産である土地や山林を有効に使っていくことも大事なことになるでしょう。
例えば、古くなった川崎小学校や中学校の建て替えは、急がねばなりませんが、町の山の木、町有林を切り出し、乾燥させ、川崎町の職人さんの力を借りて、修理しやすい平屋の木造校舎を建てることも1つのアイデアです。川崎町の大工さんは腕の良いことで有名。小学校の上棟式は、全校生徒で安全祈願や餅まきができたら素晴らしいことです。
人口減少を嘆くことなく、人口減少を逆手にとってまちづくりを進めていこうではありませんか。また、何(なに)も彼(か)もでなく、後世に負担を残すことのないよう決断する勇気も必要になってくるでしょう。

◇助ける、応援する
寒い日が続きます。毎日、毎日、能登半島地震の悲しい知らせが放送されています。川崎町へも職員の派遣要請がきました。
川崎町はこれまで、東日本大震災の時には、沿岸部の山元町へ職員を7年間派遣。熊本地震では職員4名を1カ月間派遣。4年前の台風19号で12人が亡くなった丸森町には、現在も職員を派遣しているところです。
ちなみに、丸森町への派遣は、仙南の市町村では川崎町だけですが、このたびの震災にも、職員を派遣せねばならないと考えています。
東日本大震災も、コロナ禍も、多くの皆さんのご理解とご協力を賜り乗り越えることができました。
困っている人を助け、頑張っている人を応援する。それが私たちの務めではないかと思うのです。
私たちは、この町に集い、この町に営み、この町を愛する仲間です。これからもお互い助け合って、支え合って、慈しみ合って、前進してまいりましょう。今年もよろしくお願いします。

※セントメリースキー場閉鎖については、来月号の「町長がゆく」で書く予定です。

新年あいさつ会にて
川崎町長 小山 修作

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