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町長がゆく

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宮城県川崎町

◆セントメリースキー場を閉鎖します(中)
・セントメリースキー場へ投入してきた経費

◇コンコルドの誤り
1970年代、夢の旅客機として登場した超音速機コンコルドを覚えていますか。イギリスとフランスが共同開発を進めますが、計画途中で採算が取れないことが判明します。
しかし、既に多額の費用を投入したのだからと事業は続行されました。が、予想通りコンコルドは燃費の悪さと定員の少なさから30年を待たず退役。「投入した費用はあきらめて、将来の損失を避けるべきだった」これが世に言うコンコルドの教訓、コンコルドの誤りというものです。

◇閉鎖するための費用
20年前、平成16年9月議会。私が初めて町議会議員に当選して半年後。3年続けて、多額の予算がスキー場に投入されるとあって、議会は紛糾。
町長がスキー場特別委員会の設置を自ら提言して理解を得ますが、3カ月後、9項目の手続きが必要で時期尚早と提言を自ら反故(ほご)にしました。
平成20年夏、議会はスキー場を維持していく費用が膨大になることを危惧。スキー場の経営から撤退した場合、リフト・建物等の解体とゲレンデ法面(のりめん)復旧の一連の費用を算出するよう町側に要請します。算出された金額は、約9億7400万円。

◇後世に先送りすることなく
スキー場を存続すべきか、存続に賛成8、反対5。スキー場の存続が決定しますが、10億円近い閉鎖の場合の費用の目途が立たないことが賛成の理由でもあったようです。
今回の経過、閉鎖を議会に説明した際「閉鎖の費用はどうするのか」と質問が相次ぎました。費用は今後の活用により大幅に異なるものになるでしょう。それゆえ、しっかりと検討していかねばなりませんし、だからこそ後世に課題を先送りすることなく、決断せねばならないのです。

◇全会一致で
町がスキー場を買ってから24シーズン、17億円以上の予算を投入してきました。この10年で9億円を超す金額です。ちなみに昨年度から小・中学生の給食費を町が負担しています。年間約2800万円です。
「予算を投入したからやめられない。予算がかかるからやめられない」ではなく、決断が必要でした。1月18日の議会では、様々な意見を承りましたが、全会一致で撤退を前提に、3月まで営業するための補助金として4400万円を認めていただきました。

令和6年5月1日
川崎町長 小山 修作

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