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(215) 鹿鼻館(ししはなたて)跡
鹿鼻館跡は、一迫小坂本地区にある中世の城館跡です。長崎川南岸にある丘陵上の東側に位置していて、遺跡付近の標高は50メートル前後です。奥州藤原氏の家臣であった長崎四郎隆實(ながさきしろうたかさだ)の居館と伝えられています。
丘陵上では広い平坦面や登路、腰曲輪(こしぐるわ)などが見つかっています。広い平坦面の周囲には土塁や堀が部分的に残っていて、曲輪※であったと考えられます。
平坦面に至る登路は北側、東側、南側で7箇所が確認されていて、土塁、段差、溝などが設けられています。これにより、敵が大勢で一気に攻め入ることができないようになっています。腰曲輪は、曲輪の側面に設けられる奥行きの狭い平坦面と段差で構成された区画で、中世の山城によく見られます。これも、敵が攻め込むのを防ぐために設けられたもので、山城は元々の地形を利用しながら、防御のためにさまざまな対策をしていました。
長崎川南岸には、鹿鼻館跡の他にも佐野館(さのたて)跡、鹿込館(ししごめたて)跡など中世の城館跡があり、ほとんどが丘陵上に位置しています。城館が造られた丘陵が、それぞれどのような地形をしているのか、ぜひ注目しながら眺めてみてください。
※城の内外を土塁、石垣、堀などで区画した区域
種別:市指定記念物 史跡
指定日:昭和37年4月1日
所在地:一迫小坂本地区
問合せ:教育部文化財保護課
【電話】42-3515
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