今年8月、若柳ドリーム・パルで開催した「ダンスフェスティバル2024」。多彩なジャンルのダンスが会場を盛り上げました。
その舞台裏には、出演者をさらに引き立てようと、照明や音響などの舞台演出に情熱を注ぐ人たちの姿がありました。
今月は、若柳ドリーム・パルの舞台を支える「ドリーム・パルステージオペレータークラブ」の活動を紹介します。
■地域と共に育む文化芸術
文化芸術の拠点として開館し、今年30周年を迎えた若柳ドリーム・パル。この施設では、市民が運営・企画に携わり、地域全体で文化芸術活動の場を守り続けています。
中でも、照明や音響などの舞台演出を担当する「ドリーム・パルステージオペレータークラブ」は、同施設の開館と同時に誕生し、これまで数多くの舞台を支えてきました。
類似の文化施設では、専門業者が舞台設備を扱うことがほとんどです。しかし、同施設では、専門技術を習得した市民などがその役割を担っています。こうした活動は県内でも珍しく、市外から参加する人がいるほどです。
クラブの会長を務める千葉さんに、活動内容などについて話を伺いました。
◆ドリーム・パルステージオペレータークラブ
会長 千葉 広之(ちば ひろゆき)さん(若柳新山)
◇姿が見えないからこそ
私たちは、若柳ドリーム・パルの施設ボランティアとして活動する、アマチュア舞台演出集団です。出演者が思い描く世界観を的確に表現し、観客を魅了しようと、一人一人が熱意を持って活動しています。
演出を担うのは、市民団体の催しや、クラブが制作協力する、ダンスフェスティバルをはじめとしたイベントなど、年間30公演ほどです。また、会場アナウンスやパンフレットの配布、施設案内なども大切な仕事です。全ての催しを請け負うわけではなく、クラブの活動内容や役割を伝えて了承を得られたイベントや、主催者から直接依頼があったものを担当します。
私たちの姿は、客席からほとんど見えません。だからこそ、積み重ねてきた努力の成果は、舞台演出で伝えます。出演者の立ち位置によってマイクの配置を工夫し、ライトの色や明るさは、登場人物の心情や場面によって変えます。
出演者がどれだけ素晴らしい演技をしても、舞台演出がうまくいかなければ、全て台無しです。裏を返せば、演技も舞台演出も完璧なら、大きな感動や満足感を届けられるということです。練習の成果を精一杯披露する出演者、舞台を理想的に演出するクラブ、割れんばかりの拍手で称賛を送る観客。三位一体となって作り上げる舞台の輝きは、何にも代えがたいです。
◇技術と思いを次世代へ
現在、クラブには20代から70代の41人が在籍しています。大きな課題は、会員の高齢化による実働人員の減少。そのため、活動の中心を担うのは、歴代の会員が培ってきた技術と思いを受け継いだ、意欲ある中堅や若手です。しかし、今後も質の高い舞台演出を提供し続けるためには、まだまだ人手が足りません。
クラブを存続させることは、地域の文化芸術を守ること。活動を通じて、舞台演出の奥深さ、楽しさを多くの人に伝える仲間を増やしていきたいです。
◆ダンスフェスティバル出演者の声
◇若柳よさこい桜の皆さん
今年も最高の踊りを披露できました。照明や音響の効果も相まって、会場が1つになって盛り上がっているのを、舞台上からも感じました。
出演者の衣装や雰囲気が魅力的に見えるよう、クラブの皆さんは工夫を凝らしてくれます。年に1度の舞台を楽しく、迫力満点に演出してくれることに、感謝の気持ちでいっぱいです。
▽若柳よさこい桜
若柳ドリーム・パルの事業を機に結成されたよさこいチーム。活動23年目を迎えた。
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