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【特集】私を相撲に連れてって(2)

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宮城県栗原市 クリエイティブ・コモンズ

■真っ向勝負 土俵の上から見えた夏
栗駒武道館相撲場で相撲の基礎を学び、稽古を重ねてきた人たちの中から、相撲の最高峰である大相撲入りする人たちが相次いでいる。
現在、大相撲で現役力士として活躍する市内出身力士は3人。5月に宮城県勢で五城楼(ごじょうろう)(現在は浜風親方)以来27年ぶりの新入幕を果たした時疾風関を筆頭に、安治川(あじがわ)部屋所属で幕下三十枚目の安大翔さん、時津風部屋所属で三段目十枚目の大畑さんと続く。いずれも栗駒中学校相撲部で汗を流し、その土台の上にさらに稽古を重ね、活躍をしている。
その中でも、新入幕を果たした時疾風関をさらに後押ししようと、寄付を募り6月末に市内の後援会から化粧まわしが贈られた。
中学相撲部で指導に当たった前述の安藤監督も、時疾風関の当時を振り返り「とにかく稽古が好きで、黙々と基本稽古に取り組む姿が印象に残っている」という。また、高校生になった時疾風関と取組をした際、本気で勝負をしたが負かされるほどの実力に驚いたという。
これまで着実に稽古を重ね大相撲の第一線で活躍する時疾風関を取材した。

◆時津風部屋
時疾風 秀喜(ときはやて ひでき)関(ぜき)(瀬峰野沢出身)

▽プロフィール
しこ名:時疾風 秀喜
年齢:27歳
身長・体重:179.0センチメートル・133.0キログラム
得意技:左四つ、寄り、上手投げ
初土俵:平成31年3月場所
新十両:令和5年5月場所
新入幕:令和6年5月場所

◇真っ向勝負で挑んだ夏
中学校2年生の時に、東日本大震災を経験しました。それ以来、みんなを元気にしたくて、中学校、高校、大学と相撲の基本を大切にしながら、必死に相撲を取ってきました。
大相撲入りを意識したのは、大学卒業直前。所属する時津風部屋の目指す相撲は立ち合いで変化をしない相撲、つまり真っ向勝負の相撲です。これは自分の相撲の持ち味とも重なります。これからも真っ向勝負で粘り強く、精進していきます。
また、後輩たちには、基本を大切にしっかり稽古をして、よく食べ、体を大きくして、ぜひ、相撲を楽しんでほしいです。

▽相撲の階級

■私を相撲に連れてって
相撲の競技人口が減り、県内の中学相撲部もついに栗駒中学校が唯一の存在に。そして今、そこで相撲の基礎を身に付けた人たちの中から、大相撲入りが続く。栗駒武道館相撲場の土俵上に重ねた思いは、ついに相撲の聖地、両国国技館へ届いた。
中学相撲部、その県内唯一の存在は、指導者や生徒、関係者のたゆまぬ努力が必死につないできたものであり、身近な場所で相撲を取ること、指導を受けられる相撲環境は、決して当たり前ではないと分かった。
「身近に相撲を取れること、相撲を観戦できること」それが当たり前の日常であり続けるために、私たちのこれからの取り組みが栗原、そして宮城の相撲の明日を決める。
「制限時間いっぱい、待ったなし」、「はっけよい、―」。

◇栗駒相撲クラブ メンバー募集
活動日時:
・水曜日…午後6時~
・土曜日…午前9時~
場所:栗駒武道館相撲場

問合せ:栗駒相撲クラブ 安藤
【電話】080-1818-6604

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