■Interview あなたに届けたい、私のさをり織り。
織機の「カッタン、カッタン」という小気味良い音が、室内に響きます。ここは、障害福祉サービス事業所すぷりんぐ。利用者が、真剣な表情で織機に向かっています。
ここで織られる色とりどりのさをり織りは全て、利用者のお手製です。生産活動でさをり織りを担当する鈴木さんと小岩さんに、魅力や思いを伺いました。
小岩 千尋(こいわ ちひろ)さん(金成下片馬合)
鈴木 由美(すずき ゆみ)さん(若柳有賀)
◆さをり織りを始めたきっかけを教えてください
[鈴木さん]最初は、すぷりんぐに併設する喫茶店で接客などを担当していました。しかし、体調などの理由から、さをり織りの担当になりました。それが10年くらい前の話になります。
[小岩さん]私も、10年ほど前にすぷりんぐを利用するようになってから、さをり織りを始めました。機織りの経験がなく、最初は難しいと感じることがありましたが、今ではすっかり慣れました。それでも、完成するまでは、思った通りに織り上がっているか、今でもドキドキすることがあります。
◆さをり織りの魅力を教えてください
[鈴木さん]1枚の布の中にたくさんの色を取り入れられるので、織っていて楽しいです。また、自分で織った布をすてきなバッグに加工してもらえた時は、とてもうれしく、頑張ってよかったと思います。
[小岩さん]好きな色の糸を使って布を織れることです。私はピンク色が好きなので、よく使っています。丁寧に織り続け、思い通りの柄に仕上げられたときは、うれしいです。
◆織るときに工夫していることはありますか
[鈴木さん]さをり織り製品を使う人の笑顔や喜ぶ姿を思い浮かべながら、丁寧に織り進めています。布の形がゆがまないよう、縦横それぞれの糸の両端をきっちり整えることを、特に意識しています。
[小岩さん]織り目が均一になるように心がけています。織り目の隙間は、横糸を整えるために打ち込む「筬(おさ)」という道具を使うときの力加減で変わってきます。力が強すぎると間隔が狭くなり、思ったような柄が出ないので、丁寧に打ち込んでいきます。
◆今後の目標を教えてください
[鈴木さん]これからも丁寧にコツコツと織り続けていきます。さをり織りってすてきだなと思ってくれる人、製品を使ってくれる人が増えたらうれしいです。
[小岩さん]たくさんの種類の糸を使ったさをり織りを織ってみたいです。飾りがついた糸や、キラキラした糸などさまざまで、組み合わせが大変ですが、挑戦してみたいです。
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