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市内の文化財散策

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宮城県栗原市 クリエイティブ・コモンズ

(234) 小坂本白山神社板碑群(こさかもとはくさんじんじゃいたびぐん)
一迫地区小坂本の白山神社には、3基の板碑があります。板碑とは、亡くなった人の供養のためや、生前に自身の死後の冥福を祈るために造られた中世の石碑です。その素材は、板状に加工しやすい粘板岩製のものが主流ですが、小坂本白山神社の板碑は安山岩の河原石を素材としています。
3基の板碑は、高さがそれぞれ56センチメートル(1号碑)、60センチメートル(2号碑)、20センチメートル(3号碑)で、3号碑は下部が欠損していて、元の高さは不明です。1号碑と3号碑には大日如来、2号碑には地蔵菩薩を表す梵字が刻まれていますが、いずれの碑にも「願文」が無いことから、どのような供養を願って作られたものか、分かっていません。
年号については、1号碑にのみ「文保二年戌年八月八日」とあり、1318年に造られたものであることが分かります。他の2基には年号はありませんが、梵字の形から2号碑は鎌倉時代末期から南北朝時代初期、3号碑は南北朝時代前半のものと考えられています。
安山岩の河原石を素材とした板碑は大崎平野以南に多く、市内ではあまり見られません。この地で、どのような人々が何を願ったのか。丸みを帯びたこの石碑に、当時の人々の祈りが込められています。

種別:市指定有形文化財
指定日:昭和36年7月1日
所在地:一迫字小坂本

問合せ:教育部文化財保護課
【電話】42-3515

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