■20周年の思い、次の10年へ飛躍の年に
登米市長 熊谷 盛廣(くまがい もりひろ)
明けましておめでとうございます。
市民の皆さまにおかれましては、輝かしい新年をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
本市にも冬の到来を告げる白鳥が飛来し、すがすがしい寒さの中、優雅に空を舞う光景を見ると、本年の市政運営に向けて、より一層気が引き締まる思いであります。
さて、昨年を振り返ってみますと、1月の能登半島地震、8月の日向灘を震源とする地震、9月の能登豪雨など、国内において、大規模な自然災害が頻発している状況であり、改めて、日頃からの備えと心構えが重要であると認識したところであります。
また、近年、情報化の進展や社会情勢の変化、ライフスタイルの多様化に伴い、人権問題がさまざまな分野において課題となっております。本市では、全ての市民の皆さまが人権を侵害されることなく、個人として尊重され、自分らしく安心して暮らすことができるまちを目指し、6月に「登米市人権擁護に関する条例」を制定いたしました。誰もが生まれながらにして持つ基本的な権利が、生涯にわたって尊重され、いきいきと暮らすことができるまちづくりのため、今後も人権意識のさらなる高揚に努めてまいります。
農業分野では、令和6年度における米の買取価格が上昇し、再生産費に近づいた農産物価格となる見通しであり、農業を基幹産業とする本市にとっては、明るい兆しが見えてきたところであります。
また、12月には、県内初となるオーガニックビレッジ宣言を行ったところであり、今後、有機農業に取り組む生産者の増加と栽培面積の拡大を図り、温室効果ガスの削減につなげてまいります。
本年の4月1日に、本市は市制施行20周年を迎えます。平成17年に9つの町が合併し、登米市が誕生して以来、先人の不断の努力とその熱意によって、登米市は発展してまいりました。これまでの歴史を振り返るとともに、そのご労苦に感謝し、この節目の年を新たなスタートラインと捉え、地域の魅力を高め、市民が安心して生活できる登米市を、皆さまと一緒に築いてまいる所存でございます。
現在、人口減少や地域のにぎわい創出といった諸課題への対応策の一つとして、まちづくりの核となる「(仮称)地域交流センター」の整備に向けた取り組みを進めております。市の健全財政を維持し、将来負担を可能な限り抑え、20年、30年先のまちづくりを見据え、今やるべきことを今やることが必要です。市内外から多くの人が集い、にぎわいを生む拠点となるとともに、将来を担う若者が誇れる財産となるよう、引き続き、市民の皆さまの声をお聞きしながら、全力で事業を進めてまいります。
結びに、本年が、皆さまにとりまして健康で、幸多い年となりますとともに、登米市の「次の10年」に向けた飛躍の礎となることを心からお祈り申し上げ、新年のあいさつといたします。
■未来へつなぐまちづくりの幕開け
登米市議会議長 關 孝(せき こう)
明けましておめでとうございます。
市民の皆さまには、輝かしい新年をお迎えのことと、心からお喜び申し上げます。
昨年は、第73回宮城県高等学校総合体育大会ラグビー競技において、佐沼高等学校ラグビー部が36年ぶりの優勝を果たしました。続く全国高校ラグビー宮城県予選大会では、惜しくも「花園」行きの切符を手にすることはできませんでしたが、本市で学び、切磋琢磨(せっさたくま)して練習に励んだこども達が歓喜の声を上げた力強い姿は、私たちに大きな勇気と感動を与えてくれました。
また、一昨年同様、暑い日が長く続きました。農作物への影響が心配される中、インバウンド需要など、さまざまな要因により、本市においても米の仮渡金(概算金)が大幅な上昇となりました。先人から受け継いだ肥ひ沃よくな耕土を守り、手間や労力を惜しまず、環境保全型農業に取り組んでこられた農家の皆さまにとって、大きな励みとなったことでしょう。一方、世界情勢の不安定化はさらに進み、エネルギーや食料品をはじめ、資材などの価格高騰が止まらず、市民生活や事業経営に大きな影響を与え続けています。引き続き、さらなる支援対策が講じられるよう、関係機関と連携しながら政策提言してまいります。
さて、本年4月1日で登米市が誕生して20周年を迎えます。平成17年に「登米地域は一つ」の願いのもと、9町が合併して以来、東日本大震災をはじめとする幾多の災害やコロナ禍など、多くの困難を乗り越えながら、市民の皆さまのご協力で着実に歩みを進めてまいりました。20周年は、これまでの歩みを振り返り、その礎を築いた先人に感謝し、市民の一体化をさらに進めるとともに、未来にふさわしい新たなまちづくりの始まりとなります。
本市出身の漫画家、故石ノ森章太郎先生は、「町は一人ではおこせませんが、人は一人でもおこせます。おこすとは興(おこ)すであり熾(おこ)すであり起(おこ)すです。一人一人の魂の覚醒こそが町おこしの第一歩であり、皆さんの役目であります」と、言葉を遺しています。まちづくりは人づくりであり、市民一人一人がまちづくりの主役であるとの教えです。
私たち議員は、4月に任期満了を迎えます。昨年12月定期議会において議員定数を26人から24人に削減する条例を可決しました。登米市議会は議会基本条例のもと、住民参加機能、監視機能、政策形成機能の主要3機能を柱とする議会力のさらなる強化に向け、議員活動や各委員会を通した議会活動を一層活性化し、「市民に開かれた議会」「政策形成議会」を目指していく覚悟です。
今年の干支(えと)は乙巳(きのとみ)です。「これまでの努力や準備が実を結び始め、成長する年」といわれます。未来へつなぐまちづくりの幕開けにふさわしい年となるでしょう。
結びに、この一年が平穏で災害のない、市民の皆さまにとって輝かしい年となりますよう、心からご祈念申し上げ、新年のあいさつといたします。
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