■登米の米のおいしさを伝えたい
米農家に生まれ育った、米山町出身の笹沼さんと栗原市出身の大髙さん。地元で生産された米を使ったおにぎり専門店「おにぎりのはとや」を仙台市宮城野区にオープンさせた。
「実家が農家なので、こどもの頃から田植えや稲刈りを手伝っていました」と話す笹沼さん。大学で知り合った大髙さんと共に「地元の米のおいしさを、たくさんの人に伝えたい」という思いから出店を決意。手作業で店舗を改装して、昨年8月に営業を開始した。
登米市や栗原市で育てた自家製米と、宮城県内から仕入れた野菜や魚などを使用した手作りのおにぎりを販売している。「おいしい米には88回のの手間がかかっているといわれていることと、八という漢字が末広がりで縁起が良いことから、店名を『八十八(はとや)』にしました。パリっとした焼きのりの食感と、口の中でふわっとほどける米に県内産の具材のうま味が加わり、かみしめるほどにおいしさが広がるように工夫しています」とこだわりを語る。出身校に声をかけ、高校生が考えた具材のおにぎりを販売するなど、若者に向けた地元食材の魅力を伝える活動にも取り組んでいる。
「農業と販売を両立していくことは大変ですが、これからもいろいろなことに挑戦しながら、お米のおいしさをより多くの人に届けて、登米市の魅力を知ってもらい、生まれ育った地域を活気づけていきたいです」。二人はおにぎりに願いを込めて握り続ける。
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