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かくだ発の宇宙飛行士を夢見て

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宮城県角田市

■第13回 まずは、火星に行ってみよう!
先月は、クマムシをご紹介しました。まるで段ボールを折り曲げて、口にねじを付けたような虫でしたね。1ミリメートルもないあの虫がもしも巨大化したら、と想像するとちょっと怖いです。
それでは、早速、火星に生物を探しに行ってみましょう。
昔は火星の様子を調べるのに望遠鏡しか方法がありませんでした。その結果、火星には人工的に作られた運河があるとか、タコのような火星人がいるとか想像されていました。ところが、時代が経つと惑星探査機を火星の近くまで飛ばして、大気の様子や地形も分かるようになり、最近では、火星探査機を着陸させて、火星表面を自由に動きながら写真や表面の砂や石の様子などを探査できるようになっています。それで判明したことは、火星は地球と同じように岩石でできた惑星なのですが、いろいろな点で地球とは大違い!大気は二酸化炭素が95%、空気の濃さは地球の100分の1、平均温度はマイナス55度、そして重力は地球の4分の1。つまり、体重50kgの人が火星では12・5kgになってしまいます。
でも、どうやら生物が生きるのに必要な「水」はありそうです。探査機などの観測から、火星表面には蛇行する溝(川の跡?)、三角州、角が取れて丸くなった石など水の流れた痕跡があり、地下には水が存在する、という探査結果も得られています。最新の研究では、約40億年前には火星表面には水があったと考えられています。
それでは生物はいるのでしょうか?火星探査機キュリオシティが、移動しながら大気中のメタンの濃度の急激な上昇に何度か遭遇したそうです。地球では牛のゲップや菌による腐敗などでメタンが発生します。つまり生命活動がある証拠ではないか!と期待されたのですが、土壌分析では生命活動の証拠である有機物がほとんど発見されなかったそうです。残念ながら今のところ「火星人のゲップ」説はお預けですね。
もう少し探査を続ければ、タコの姿はしていないかもしれませんが、火星の生物に会えるかもしれません。
(JAXA角田宇宙センター 吉田誠)

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