文字サイズ
自治体の皆さまへ

かくだ発の宇宙飛行士を夢見て

11/39

宮城県角田市

『第15回 ロケット以外で宇宙に行ける!? その2』

さて、宇宙エレベーターはどこに作りましょうか?例えば、国際宇宙ステーション(ISS)は、1秒間に8キロメートルの速さで動いています。約90分で地球を1周する速さです。ここからワイヤーを伸ばしてエレベーターを作ろうとしても、乗り場が地上を秒速8キロメートルで動いていたら、誰も乗れません。
宇宙には一つだけ、地球と同じ速さで回る人工衛星の居場所(軌道)があります。それは地上から3万6千キロメートルの高さにある「静止軌道」と言われている軌道です。BSなどの衛星放送を受信するアンテナは、常に同じ方向を向いて衛星からの電波を受信しています。その放送衛星の居場所が静止軌道なのです。赤道の上空で地球と同じ速さで人工衛星が回っているので、地上から見ると、静止しているように見えるのです。
それでは、宇宙エレベーターの基地をそこに作ってみましょう。お料理のレシピ風に作り方をご紹介します。

◆材料
・カーボンナノチューブ…9万6千キロメートル
・建設用宇宙船 数百トン…1台(イオンエンジン付き)
・打ち上げ用ロケット…多数
・スペースクライマー(エレベーターの箱)…数台

(1)工事に必要な材料を数回に分けてロケットで打ち上げ、ISSくらいの高さ(400キロメートル)の軌道で建設用宇宙船を組み立てる。
(2)ハヤブサにも積まれていた燃費の良いイオンエンジンでゆっくり加速しながら、静止軌道(3万6千キロメートル)まで上昇する。
(3)カーボンナノチューブのワイヤーを地球側と反対側に同時に伸ばし始める。この時、建設用宇宙船の重心が静止軌道になくてはならないので、両腕を伸ばすようにワイヤーを伸ばすこと。約8カ月でワイヤーの先端が地上に到達。
(4)そのワイヤーを500回くらいに分けて、徐々に補強。100トンくらいのエレベーターを引き上げられる強さになる。
(5)スペースクライマーで資材を運び建設用宇宙船を快適なステーションに改修、地上の駅(おそらく赤道上の海の上)も建設。
(6)約25年後に完成!

それでは、手軽で快適な宇宙体験を!

(JAXA角田宇宙センター 吉田誠)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU