健康 ひと口メモ

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「めまい」について

三澤医院　三澤誠一

「めまい」を訴えられる人は多く、ありふれた症状といえますが、一口に「めまい」といっても原因はさまざまです。
大きく分けるとぐるぐる回る回転型、体が浮いた感じやふらつきのある浮動・動揺型、血の気が引くような失神型になります。
最も多いのが耳鼻科領域に原因のある末梢性の回転型に属する「めまい」です。繰り返し起こり、自分自身や周囲が回るように感じ、吐き気を伴うことも多く、動けない程の症状が出ることもありますが末梢性の「めまい」は緊急を要することは少なく、まず安静にして落ち着くことが大事です。
しかしながら、回転型の中には脳卒中などの脳の病気が原因のこともあり、意識障害やまひ・言葉が出ないなどのはっきりした神経症状があればもちろん早期にMRIなどの検査が必要であり、症状が無い場合でも初めて症状が出たときなどは早期に医療機関の受診を検討してください。
浮動・動揺型と失神型の原因はより多く、脳卒中などの脳血管障害をはじめ不整脈・器質的な心血管の病気・高血圧・低血圧・高血糖・低血糖・脱水症・ストレス・精神疾患・頸椎(けいつい)変形・脳腫瘍・薬剤・体の消耗などとさまざまです。
例えば、内科領域では頻脈あるいは徐脈といった不整脈や低血圧によっては失神型が起き、脱水症や高血圧脳症(非常にまれですが)では浮動型が起きます。
また、足の筋力の衰えを伴うふらつきや視力の低下を「めまい」と感じてしまう人もいます。状態により病因を検討する必要があり、症状がいつから・どのように・どんな頻度で起きるかなどの情報が大事になります。「めまい」を把握し、言葉にするのは大変難しいかと思いますが、受診の際にはなるべく詳しく教えてください。