『人生100年時代のからだづくり』
まつもと整形外科リハビリテーションクリニック
院長 松本 周
我が国の平均寿命は2023年で男性81・09歳、女性87・14歳であり、今後も延びていくことが予想されます。2065年には、女性の平均寿命は90歳を超え「人生100年時代」が当たり前になると考えられています。しかしながら、健康上、不自由なく自立した生活がおくれる期間を示す「健康寿命」は、男性72・68歳、女性75・38歳とされており、男性で9年、女性で12年ほどは不健康な期間が存在するとされています。健康な身体を創り、長く保つための秘訣は、程よい「運動」です。人生100年時代では、単に寿命の延長だけでなく、元気で健康な心身状態で自分らしく過ごすことが重要となるでしょう。
健康寿命を延ばすことは、元気で活躍できる期間を延ばすことであり、一人一人の幸せな生活にもつながります。健康づくりで大切なのは「きょうよう」と「きょういく」と言われています。「今日、用がある」「今日、行くところがある」といった行動を起こすことが自然と運動にもなり、楽しい気持ちを保つことにもなります。これからは、皆さん自身が学び、行動していかなければなりません。
まずは、現在よりも10分間の身体活動の増大を心がけましょう。それだけで死亡、生活習慣病、がんのリスクが3~4%減少できると言われています。具体的には、成人の場合、通常1分間の歩数は110~120歩ですが、高齢者は1分間で約100歩程度であり、1日10分間(1日1000歩)今より歩くことから始めましょう。
生涯を通じた健康づくりが将来の健康寿命に大きく影響します。人生100年時代のからだ創りは「他人事」ではなく「自分事」として、ぜひ取り組んでみてください。
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