たくさんのご質問をいただきありがとうございます。
今回から数回にわたって、皆さんのご質問にお答えします。
『地球に似た7つの惑星でどれが一番住めそうですか?』
Q.太陽系と同じような惑星系は宇宙でいくつありますか?
そのうち地球と同じような惑星が見つかる可能性はありますか。
Q.地球に似た惑星が7つあるけど、どれが一番住めそうですか?
ちょっと前まで、他の星に太陽を回る地球と同じような惑星があるかどうかを見つけることはとても難しかったのです。その理由は、惑星は自ら光っていないから!暗くて見つけにくいため、地上の望遠鏡からの発見はほとんど不可能に思えました。でも、1990年代以降、ハッブル宇宙望遠鏡など観測技術が格段に向上したので、自ら光らない惑星も発見できるようになりました。
今では、惑星を見つけるための専門の宇宙望遠鏡をロケットで打ち上げて観測を続けています。ご質問の「地球に似た惑星が7つ」というのは、おそらく、アメリカのスピッツアー宇宙望遠鏡が発見した「TRAPPIST‒1」という恒星の周りに7個の地球と同じサイズの惑星を発見したことをご質問されているのだと思います(2017年)。7姉妹とも言われています。このような太陽系外の惑星は、今では3千個以上、発見されています。
TRAPPIST‒1は地球から40光年離れています。TRAPPIST‒1を回る7つの惑星は全てがハビタブルゾーンといって、中心の恒星から受ける熱がちょうどよく、水が液体で存在できる範囲にあります。恒星に近すぎると暑すぎて水が蒸発してしまい、離れすぎると寒すぎて氷でしか存在しなくなってしまいます。その中間で液体の水が存在すれば、地球と同じように生物が生存しやすいだろう、と考えています。
7姉妹の中では、dかeがちょうど地球が太陽から受けるのと同じくらいの熱をTRAPPIST‒1から受けていると考えられるので、その辺りに生物がいて「住めそう」な候補になるかなと、期待しています。ちなみに、地球に一番近い恒星のプロキシマ・ケンタウリ(地球から4.2光年)にも地球と同じサイズの惑星がハビタブルゾーンにあることが発見されました(2016年)。とりあえず、こちらを目標に宇宙旅行を計画しましょうか!
JAXA角田宇宙センター 吉田誠
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