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自治体の皆さまへ

かくだ発の宇宙飛行士を夢見て

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宮城県角田市

今回も前号に引き続き、8月号で答えきれなかった質問にお答えします!

◆第23回 うさぎに見えるのは…?

Q.月にウサギはいるの?
月を見ると、ウサギが餅つきをしているように見えますね。でも、残念ながらまだ月のウサギは発見されていません。アポロ宇宙船で人類が月に6回、月探査機はたくさん着陸しているのですが、まだ月の生物には会えていません。
では、あのウサギは何なのでしょうか?インドにこんな昔話があります。ウサギ、キツネ、サルが一緒に暮らしていたところに、帝釈天(たいしゃくてん)という神様が老人に姿を変えて訪ねてきました。サルやキツネはこの老人のために木の実や魚を集めてきましたが、ウサギは何も見つけることができませんでした。そこで、火を起こしてほしいと頼んで、自ら火に飛び込んで食べてもらおうとしました。老人は帝釈天の姿に戻り、ウサギの慈悲深い行動をみんなに見せるためにその姿を月に映しましたとさ。
では、本当はあのウサギは何なのでしょうか。あの暗い部分は、月の火山の溶岩が流れ出た跡なのです。地上でいえば、火山の近くの黒っぽい玄武岩(ゲンブンガン)がたくさんある場所で、その岩の中にカンラン石というものがたくさん含まれています。月の表面は隕石がぶつかってできたクレーターで覆われていますが、火山の噴火よりも前にできたクレーターには溶岩が流れ込み、黒く平らになってしまいます。その形がウサギに見えているのです。クレーターの白っぽく見えている部分は斜長石(シャチョウセキ)がたくさん含まれています。玄武岩、カンラン石、斜長石、どれも地球上でもたくさん見られる岩石です。これは、月の誕生に関係しています。地球ができたてどろどろのマグマの塊だった頃、大きな隕石が地球にぶつかって、宇宙空間に弾き飛ばされた地球のかけらが集まって月になったという「ジャイアント・インパクト」説が最も有力です。だから、岩石も地球と似ているのですね。
人類が再び月に行く計画が立てられています。皆さん、角田発の宇宙飛行士になって、月に行ってみませんか。そして、ウサギを見つけて一緒にお餅を食べるのも楽しそうですね。その次は火星でタコ探し、でしょうか?

(JAXA角田宇宙センター 吉田誠)

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