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【特集2】忘れないそして前へ(2)

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宮崎県

■忘れない

口蹄疫から13年が経過し、当時を経験した県民の記憶には深く刻まれているものの、口蹄疫を知らない世代も増えてきています。風化させないために、後世に記憶を引き継いでいくことが大切です。

口蹄疫が終息し、日本は口蹄疫清浄国となりました。県では、毎年2月を「家畜防疫強化月間」4月を「特別防疫月間」として位置付け、口蹄疫の防疫演習を行っています。
しかし、家畜伝染病は口蹄疫だけではありません。畜産県である本県は、常に脅威と隣り合わせなのです。
身近な家畜伝染病の一つに「高病原性鳥インフルエンザ」があります。渡り鳥の飛来が本格化する10月頃から発生リスクが上昇します。発生した場合、養鶏場の鶏の全羽殺処分、消毒などが行われるほか、近隣養鶏場の移動制限、出荷制限なども行われます。卵価格の上昇など、県民生活にも大きな影響を与えます。
近年では、「豚熱」も畜産関係者の頭を悩ませています。2023年8月、佐賀県で九州初となる発生が確認され、九州全県においてワクチン接種が開始されました。本県では、継続的に家畜防疫員、知事認定獣医師および登録飼養衛生管理者によりワクチン接種を行っています。

▽県畜産局家畜防疫対策課 片山貴志主幹
私は口蹄疫発生当時、宮崎家畜保健衛生所の職員でした。パンデミックが起こり、一刻も早く感染拡大を食い止めなければという使命感で現場にいましたが、殺処分直前の牛たちの鳴き声は今も耳から離れません。
忘れてはならないのは、宮崎の畜産はたくさんの犠牲の上に成り立っているということ。あの悲劇を繰り返してはいけない。同じ思いを誰にもさせてはいけない。我々は、不穏な事態に対して、あらゆる可能性を否定せず、常に「かもしれない」と想定して行動する必要があります。
宮崎県の防疫対策は、他県より先進的です。県民の皆さんにも理解を深めていただき、他県の手本になるくらい前向きに防疫に取り組んでいただきたいと思います。

■防疫対策について
1 農場では、以下のような防疫対策を行っています。
・消石灰などの散布による農場の消毒
・ねずみなどの駆除対策の強化
・野生動物の侵入防護柵の設置
・家畜へのワクチン接種(豚熱)
・家畜防疫員による飼養衛生管理基準の順守徹底のための農場巡回および指導

2 広げないために、わたしたちにできること
・海外から畜産物(肉・卵製品)を持ち込まない
家畜伝染病予防法により畜産物の持ち込みは原則禁止されています。
・空港などでの靴底消毒
空港やカーフェリーなど、多くの人が立ち寄る施設には、県内への病原体侵入を防ぐために消毒マットを設置しています。日頃から、消毒マットを避けず、しっかり踏んで靴底を消毒しましょう。
・畜産農場には立ち入らない、近づかない
靴底や車両のタイヤに付着した土などにより、意図せず病原体を運んでいる可能性があります。不用意に近づかないようにしましょう。
・キャンプ場などでの食べ残しを持ち帰る
海外から持ち込まれた肉製品の食べ残しが野生動物への感染源となることがあります。食べ残しや包装容器などのごみは必ず持ち帰りましょう。

失われた多くの命に報いることが私たちの務めです。
みんなで一つになって防疫に取り組みましょう!

お問い合わせ:家畜防疫対策課
【電話】0985-26-7139

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