■「CT」と「MRI」の違い
皆さんから「あの検査とこの検査はどっちが良いの?」と聞かれることがあります。病院で行われる検査は、それぞれ得られる情報や検査時間などが異なるため、どちらが良い悪いということはありません。今回は、質問を受ける中でもよくある、CTとMRIの違いについて説明します。
撮影の際、CTはレントゲン写真を撮る時と同じX線を利用し、MRIは核磁気共鳴という現象を利用します。そのため、CTは被ばくしますが、MRIはしません。しかし、MRIは、ペースメーカーや人工関節保持者、入れ墨が入った人などは撮影ができません。また、装置が大きい磁石状態のため、車いすや酸素ボンベも室内に持ち込めません。
CTは、急性脳出血をうつすのに優れていますが、急性脳梗塞は24時間ほど経過しないとわかりません。逆に、MRIは、急性脳出血をうつすのに弱く、急性脳梗塞をうつすのに優れています。検査時間は、基本的にCTの方が短いです。検査中の痛みはどちらもありませんが、精密に調べるために造影剤を使用する際には、静脈注射を行うため注射の痛みを伴います。
このように、どの検査にも得手不得手がありますので、疑う疾患や体の状態など、さまざまなことを考慮した上で、医師が最適な検査方法を決定しています。
文:市立病院放射線科
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